2回目のフジロック【2】報告編~非日常ならではの楽しさがどこまでも続いた3日間

 前回の準備・計画編に続き、FUJI ROCK FESTIVAL'18に行ってきた記録です。
 例によって大ボリュームなので、おひまなときにお読みください。
 
 前回はこちら。

1日目:7月27日(金)

会場までの道のり

 金曜日は平常運転でタスクをだーっと片付け、夜になってから出発しました。


映えるNEWDAYS
 大宮駅のNEWDAYSでいま話題のコンビニ生ビールを購入し、新幹線の車内でエレファントカシマシのYouTube中継を観ながら生ビールを飲むという最高のフジロック往路を堪能。
 もちろん会場で体験するのがベストですが、サウンドもカメラワークもスイッチングもバッチリな生中継も良いものですね。ことエレカシに関しては、乳首がこの上なく鮮明に見えてうれしかったです。
 
 20時前に越後湯沢駅に着き、待ち時間ゼロでシャトルバス搭乗。さすがにこの時間帯は空席率が高かったです。
 バス車内でもYouTube中継を観てウォーミングアップ。MAC DEMARCO(RED MARQUEE)は完全に初見だったんですが、VJがなぜかEarthbound(MOTHER2)のプレイ動画だったり、ギターストラップが全員揃ってハードオフだったり、いろいろと目が離せなかったです。現地にいたら逆に観なかったと思うので、フェスの醍醐味でよく挙げられる「(知らないミュージシャンやジャンルとの)偶然の出会い」はYouTube中継でも経験できるものだなー、と思いました。
 
 今回の宿は会場入口から徒歩で約10分の距離です。シャトルバスを降り早足で宿へ行き荷物を置いてまた早足で会場へ。
 リストバンド交換所は案の定ガラガラだったので一瞬で交換完了。
 入場前に朝霧JAMのチケットも購入しました。場内駐車券が買えたから、今年の朝霧は車で乗り込むぞ!
 

21:00- N.E.R.D(GREEN STAGE)

 さらに早足で進んでゆき、GREEN STAGEに着いたところでちょうどN.E.R.Dがスタート。
 知り合いともサクッと合流し、意気揚々と踊り狂いました。
 途中、「今ならオアシスも空いてるはず!」とGREEN STAGEを離れ、苗場食堂のとろろめし&けんちん汁、金六イレブンのもち豚串の定番トリオをいただき。


 が、ちょうどこのタイミングでN.E.R.Dが「Get Lucky」(元々はDaft Punk feat. Pharrell Williams)をやっていたようで完全に見逃しました……。
 

24:00- 東郷清丸(ROOKIE-A-GOGO)

 それから去年一度も足を踏み入れなかったCRYSTAL PALACEへ。ちょうど着いたタイミングで爆音のNew Order「Bizarre Love Triangle」がかかってて最高でした。
 CRYSTAL PALACEへ来たのは、ROOKIE-A-GOGOにて東郷清丸を観たかったから。『2兆円』は素晴らしいアルバムですよね。ライブは初めてだったけどやはり素晴らしい。真夏の真夜中の空気によく合います。
 場外にて濃厚鶏そば(塩)と味玉子をいただく。塩気が強くて汗をかいた身体にしみわたります。


 

1:10- 曽我部恵一(GAN-BAN SQUARE)

 それからオアシスへ引き返してGAN-BAN SQUAREで曽我部恵一さんのDJ。GAN-BAN SQUAREも初めてきたけど思った以上にゆったりしてて良いですね。
 

2:30- SUGIURUMN

 曽我部さんの次に登場したSUGIURUMNさんがサニーデイ・サービスの「サマー・ソルジャー」「青春狂走曲」を立て続けにプレイ。この選曲自体が最高だし、さらに曽我部さん本人がマイクを手にして歌うサニーデイ大サービスです。僕も「今んとこはまあ そんな感じなんだ」と合唱しました。丸山晴茂さんのことを想い浮かべながら。
 

3:30- TAKKYU ISHINO(RED MARQUEE)

 続いてRED MARQUEEへ。
 5年くらいご無沙汰している友人と再会し、最近は仕事の愚痴ばっかりツイートしているようにみえたので「そっちはどうだいうまくやってるかい」「こっちはこうさどうにもならんよ」と近況を話すなど。
 
 待ちに待った石野卓球先生のDJタイム。
 ゴリゴリのクラブ仕様で小一時間ほど踊り狂ったところで電気グルーヴ「MAN HUMAN」がかかり「あ、電気の曲もかけるのね」なんて思ってたらフロアが騒然としてきたのでステージに目を向けるとピエール瀧!


 マイクを手にせず、ただステージで仁王立ちしたりちょっとした身振りをしたりするだけでクラブフロアを沸かせまくりです。さっすが顔面アカデミー賞! 顔デミー賞は30秒くらいで退場しましたが、「MAN HUMAN」の次にKAGAMI「TOKYO DISCO MUSIC ALL NIGHT LONG」が来てまたもやフロア大爆発。
 結局、午前5時過ぎの音止めまで踊り明かしてしまいました。RED MARQUEEのフロアに散らばったゴミを片付けつつ会場を後に。
 
 宿の風呂(清掃中以外は24時間入れる)に貸切状態で浸かり、なかなか眠気を感じられず就寝したのはけっきょく6時半くらいだったと思います。
 

2日目:7月28日(土)

NEOKIにYOSHIKI

 翌朝、というか寝た時点でもう朝だったんですが、8時半くらいに起床。睡眠時間は2時間くらい。眠いけど二度寝はできないなー、腹が膨れたら眠くなるかなー、とぼんやりした状態で宿の朝食をいただいたら逆に目が醒めてしまい、そのまま会場へGO。
 そういえば去年もテンションがおかしくてほとんど眠れなかった気がする……のを、この段階で思い出しました。そんで翌週はボロボロになるという流れですね。
 Twitterを見てたら、どうやらSKRILLEXのゲストにYOSHIKIが出るらしいとの情報を発見。「YOSHIKIがアップしてた写真ではピアノを弾いてるけど、ドラムも叩くのかな」「例の透明のピアノも苗場に持ち込むのかな」と話しつつ宿シェアした人たちと会場へ歩いていたら、ちょうどこんなトラックを見かけました。タイミング良すぎ。


 このツイート、KAWAIの公式アカウントにもいいねされたので、もしかしたら本当に例のピアノが積まれていたのかも。
 

11:00- eastern youth(GREEN STAGE)

 まずは象印のブースで冷たいお茶(無料!)をいただく。


 GREEN STAGEのトップバッターはeastern youth。ほどほどの気温で気持ちいい風が吹くなか聴くeastern youth、最高でした。
 お昼前の時間帯、Twitterを見ると関東地方は台風12号で大荒れな様子でしたが、この時点で苗場の天気は平穏そのもの。去年の天気は最悪だったけど、今年は最高だなー! と思いました――この時点では
 
 食べたいものを食べられるうちに食うぞ! ということでAVALONへ。昨年食べて最高だったタナカクマキチ。さんの舞茸天丼&舞茸とろろ丼。
 去年はOASISに出店してたのに今年はAVALONだったのでちょっとアクセスが悪くなってしまいましたが、やっぱり最高です。去年も書いた気がしますが、天ぷら単品のメニューがあればTSUMAMIになってなおさら最高なのになと思います。
 

ドラゴンドラ

 ここでドラゴンドラに初搭乗。


 せいぜい搭乗時間5分くらいのちゃっちいロープウェイなんでしょう? とナメてかかっていたら、とんでもない。片道20分ほどの大スペクタクルでした。1,500円の運賃も全然高くない(払う段階では「うっわ高っけえ」と思ってしまいました正直)。超オススメです。フジロック会場の遙か上空を飛んでゆくのも楽しいですし、あとは逆方向のゴンドラに乗った人たちとすれ違いざまに手を振りあうのもめちゃくちゃピースフルで楽しい。

 あまりに歓声を上げまくっていたので、乗り合わせた全然知らない人に「初めてですか? 毎年乗ったほうがいいですよ」と薦められました。たしかに毎年――とまではいかずとも、機会があればまた乗りたいです。
 快晴だった初日に比べると雲の多い天気でしたが、翌日は強風で(丸一日?)運休になってしまったので、このタイミングで乗っておいて正解でした。
 

13:00- SEKITOVA(DAY DREAMING)

 そんなこんなでたどり着いたDAY DREAMING。


 他とは時間の流れがまるで違う印象です。フジロック的というより朝霧JAM的というか。SEKITOVAさんのDJも初めてだったけどよかった。何年も前に高校生DJとして話題を集めていたころから氏の存在は知ってたので妙な感慨もありました。
 

14:50- JOHNNY MARR(GREEN STAGE)

 DAY DREAMINGから下界へ帰還。「SNSに写真アップしたらタオルやるよ」というキャンペーンに乗っかってジョニーハイボールを飲みつつ、ジョニーつながりでジョニー・マーを観ました。ジョニーマーワギターガウマイ。


 海外のミュージシャンのMCで面白いなあと思うのは、普通にネイティブのスピード感で英語を喋る人と、非英語圏の観客に気を遣って(?)シンプルな単語だけで喋るタイプの人とで分かれるところ。昨日のN.E.R.Dとかは前者でしたが、ジョニー・マー御大は完っ全に後者でした。シンプルな英単語ばかりな上に日本語もちょっと混ぜてくれるのでとても明快。中学英語のアメリカ人の先生を思い出した。最後、去り際に「オキヲツケテ!」って言われたのが面白かったです。英語の「take care」とは(同じ意味なのに)違った趣がありますね。
 

最奥地までの旅

 カンカン照りの空の下、今度は会場の最奥を目指す旅にでます。
 途中、WHITE STAGE⇒AVALONの通路で入場規制(GYPSY AVALONでトータス松本のライブ中だったためと思われる)の足止めをくらっていたら、澤部さん(notスカート)とすれ違いました。フジロックが好きだと公言している著名人を本当にお見かけすると逆に「え、本物!?」と目を疑ってしまいますね。
 AVALONの朝霧食堂へ行き、昨晩購入の朝霧JAMのチケットに付いてきたドリンクチケットでビールを乾杯しつつグルグルウインナーをいただきます。グルグルウインナー、やっぱりうめえ! 朝霧JAMが楽しみでなりません。

 

17:10- ハンバート ハンバート(FIELD OF HEAVEN)

 続いてFIELD OF HEAVENにてSAKURAGUMIのピザを購入。噂には聞いてましたが、ほんとにその場で生地をのばして石窯で焼き上げている……! ハンバート ハンバートを聴きながら焼き上がりを待ち、受け取ったピザはもう絶品でした。ヘタなイタリアン専門店よりもUMAI。


 

UNFAIRGROUND

 UNFAIRGROUNDへ上陸。いろいろタイミングが合わずサーカスの類は観られなかったですが、それでもおもしろげなムードは味わえました。


 UNFAIRGROUNDにはDJエリアが2つあって、その片方で軽く踊りつつふと後ろを振り向いたらサンバイザーがトレードマークの説教とDJとテクノが主な生業の人がトレードマークのサンバイザーを着用した姿で踊っておられてひっくり返った。もちろん面識はありませんが記念撮影をお願いしたら快諾いただけて感謝。あとで写真を見返したところちゃんと白目を剥いておられて「プ、プロフェッショナル……!」と心底尊敬いたしました。
 

18:50- SKRILLEX(GREEN STAGE)

 そろそろGREEN STAGEへ引き返さないとSKRILLEXに間に合わない! なタイミングになってきたので踵を返すも、ちょうどWHITE STAGEにユニコーンが出るタイミングだったこともあり、会場奥から手前へ向かう道が全体的に混みまくりです。こいつはまさに大混雑。
 やっぱりYOSHIKI目当ての人が多いのかな……と思っていたら、YOSHIKITTYのTシャツを来た人がGREEN STAGEとはまったく逆の方向へ駆けてゆくのを見かけて心配になりました。
 ユニコーンの演奏を遠くに聴きながら、人口密度100%超のWHITE STAGE⇒GREEN STAGEのボードウォークをゆっくり歩きます。そういえば去年の2日目の夜もWHITE STAGEの小沢健二氏のライブ後にこのボードウォークを歩いたな……としみじみ。
 予定以上に時間がかかったのでGREEN STAGE到着時点でとうにSKRILLEXのライブは始まってました。が、YOSHIKIの気配(具体的にはKAWAIの透明のピアノ)は見当たらず。ただ、会場の空気はちょっと異様な感じでした。単に盛り上がっているだけじゃなくて、“何か”を待ち望んでいる人が多いとき特有の妙な雰囲気というか。
 一方僕は、SKRILLEXでめちゃくちゃ踊りつつも、去年の"あの人"が前日にいきなり「いまスチャダラパーやスカパラと一緒にリハーサルしてます。明日会いましょう」とか発表するのではなくMステで早めに言ってくれる形でよかったな、と本気で胸をなで下ろしました。
 一旦退場したあと、アンコールをうけたSKRILLEXが「Friend」のYOSHIKIを紹介。「Endless Rain」が始まるか始まらないかのタイミングで苗場を豪雨が襲いました。このあと翌朝まで本当にEndlessに暴風雨が続いてしまうあたり、YOSHIKIの神がかりっぷりを目の当たりにした思いです。
 

21:00- KENDRICK LAMAR(GREEN STAGE)

 いよいよヤバい勢いで豪雨が降りまくるなか、本日ヘッドライナーのケンドリック・ラマー。
 ケンドリックはワールドツアーの最中で、フジロックでもそのツアーセットをそのまま持ち込んだ形のようでした。最新作『DAMN.』はシリアスなアルバムでしたが、ツアー用に撮られた映像はなかなかのボンクラっぷりでしたね。
 アンコールの「All The Stars」、ステージの照明が『Black Panther: The Album』のジャケット同様にブラックパンサーのネックレス(?)風なのが良かったです。

Black Panther: The Album

Black Panther: The Album

  • アーティスト:Various Artists
  • ユニバーサル ミュージック合同会社
Amazon
 

(荒天につき退散)

 このあと、2日連続の石野卓球(GAN-BAN SQUARE)や5lackおよびPUNPEE(RED MARQUEE)などへ行く予定でしたが、心が折れるレベルの暴風雨になったので宿へ一時退散。
 天気が持ち直した頃合いをみて再出動のつもりだったものの、軽く仮眠して目覚めてもまるで変わりない荒れ模様だったので「こんな天気なら中止でしょ?」と諦めて不貞寝。でもけっこうな人数が暴風雨のなか踊っていたそうです。まだまだ精進が足りない。
 ベテランフジロッカーの人をして「こんな強風初めて」と言わしめるレベルだったので、キャンプサイトの人たちは相当大変だったろうと思います……。
 

3日目:7月29日(日)

朝から豪雨強風直射日光のフルコース

 3日目朝。8時起き。


 7月29日のFUJIといえばこれ、というシャツを着用して準備を整えるも、外は未だに荒れ模様。風は強くても雨は止んだかな? なんて思っていると、急に雨が降りだすためまるで天気が読めない。台風12号、ちょっとカスっているだけでこれだから、もし直撃してたらどうなっていたことか……。
 
 朝食は宿で早々にいただくも、外へ出るタイミングを見計らうのが難しい。けっきょく、11時過ぎに「そろそろ天気落ちついたみたいだ!」と出発するも、宿から会場までのわずかな道のりで豪雨強風直射日光のフルコースを体験しました。
 

11:00- 鼓童(GREEN STAGE)

 会場着。
 GREEN STAGEは鼓童の終盤でした。
 前日よりも遅い時間に到着したにもかかわらず、明らかに人口が少ない。やはりみんなこの天気で動き出しが遅くなっている模様です。
 ほんとうはRED MARQUEEのLEO今井へ行く予定だったけど、足の筋肉痛が極まっているため行ったところでDon't Moveになってしまう、と断念。足の痛み対策を怠ったのが今回最大の失敗です。この日はずーっと足を引きずりながら移動してました。
 

12:50- Suchmos(GREEN STAGE)

 Suchmos前に、まだまだ苗場食堂を食べてないぞ! と、きりざいめし&豚汁&景虎&鶴齢の4点セットをいただく。けんちん汁と温泉玉子が売り切れていたのがただただ残念でした。今年も朝霧JAMに苗場食堂が出るならそこでリベンジだ。


 昼間から野外で日本酒2種類を飲み比べながらSuchmosを観る贅沢さを堪能。この時点ではまだまだ会場の人口密度が低かったように思います。
 

最奥地までの旅 Part2

 この日もライブよりも散策メインで活動。
 まずは昨年からずっと食べたかった天国バーガー。レッドホットチリをいただきました。パティもバンズもその場で鉄板で焼いてるんですね。佐世保バーガー方式というか。


 
 朝霧食堂ではジャックハニーミルク(朝霧牛乳+ジャック・ダニエルハニー)をいただきました。まさに甘い甘いミルク&ハニー、無限に飲めます。
 
 陽差しが強くなってきたので、STONED CIRCLEの四代目徳次郎にて、かき氷をかき込む。900円という超強気価格にもかかわらず大行列でしたし、たしかにうまかった。
 

16:00- FRENTE CUMBIERO(Cafe de Paris)

 そのままCafe de Parisへ突撃し、ちょうど演奏を開始したコロンビアのバンド・FRENTE CUMBIEROを聴きつつモヒートを飲みました。ここが苗場なんだかパリなんだかコロンビアなんだかキューバなんだかさっぱりわからなくなります、というのはさすがに嘘ですが、ワールドワイド感が味わえてとても良いですね。
 あと、STONED CIRCLEのあたりに、白塗りの人による謎のお茶立てパフォーマンス(?)があったのが印象的でした(あまりに呆気にとられてしまったので写真は撮ってません)。
 

16:50- JACK JOHNSON(GREEN STAGE)

 GREEN STAGEへ帰還。
 JACK JOHNSONのライブ後、ボブ・ディラン前に用を足そうと歩いていたら、1年以上ごぶさたしている知人とばったり遭遇。万単位の人がいるなかで偶然会えるとは! 元気そうでよかったよかった。最近はライブ会場で何人かの知り合いと遭遇するイベントが毎回のように発生するので楽しいです。こういうのもライブやフェスの醍醐味ですね。
 なお、ボブ・ディラン前に用を足そう、と考えるのはみんな同じのようで。GREEN STAGE後方の丘のトイレが見たことないレベルの人の溢れっぷりでした。
 

18:50- BOB DYLAN & HIS BAND

 今回、元々の計画では3日目の深夜1時過ぎに会場を発つツアーバスで帰るつもりでした。ただ、いざタイムテーブルを見てみたらボブ・ディランの出番が通常のヘッドライナーよりちょっと早い。つまり、帰りの新幹線に間に合う可能性があります。ツアーバスだと翌朝の仕事に差し障る可能性が高いし、当日中に帰れるなら帰っちゃったほうがいいよね、と予定を変更。
 そんなわけで、ディランのステージを途中まで観たところで会場を発つことにしました。
 
 ディラン待ちのGREEN STAGE、心なしか、人生の大先輩がたが増えているような印象です。
 なにせノーベル文学賞すら一旦シカトした御仁なので今回のフジロックもドタキャンする可能性もあるのでは……とうっすら心配(というかある意味期待)してましたが、むしろ予定時間よりも数分早くご登場されました。Bob Dylan % His Band。
 事前にいろいろ予習するなかで「今のディランのライブはギターではなくピアノの弾き語り」と聞いてはいましたが、いざ目にしてみると本当にピアノの前で中腰になって弾きっぱなしの歌いっぱなし。
 帰りのことを考えて、僕は同行メンバーとはまったく別の場所で一人観ていたんですが、たまたま目の前におられた白人のお爺さん(おそらくディランと同年代)が無言でステージをじっと観ている姿がディランともども印象的でした。
 

苗場⇒越後湯沢⇒自宅


 後ろ髪を引かれつつも途中で会場を発ち、会場⇒越後湯沢駅のシャトルバス乗り場に着いたのが19時37分。この時点でざっと60人待ちくらい。いくらなんでも急ぎすぎたかな? と思っていたら、あれよあれよと人がやってきて、10分ほど経ったところで振り向いたらもう最後尾が見えないほどの大行列になってました。けっこう絶妙なタイミングだったのかも。
 15分ほど待ったあたりでバスがまとめて5台以上到着。このシャトルバスは路線バスも観光バスも入り交じっていて、どんなバスに乗れるかはランダムな上に路線バスだと立ち乗りになってしまうおそれもあるんですが、運良く観光バスに座って帰れました。
 
 バスを降りる間際に慌ててMAXたにがわの指定席をとりましたが、空席だらけだったので乗る直前の購入でも全然間に合いましたね。シャトルバスの混雑率のわりに新幹線はガラガラなのがちょっと不思議です。新幹線もシャトルバスに負けず劣らずの本数が出てるからかな?
 帰りのバスでも新幹線でも電車でもYouTube中継をずーっと観てました。cero(WHITE STAGE)からのVAMPIRE WEEKEND(GREEN STAGE)。どちらも最高でした。逆に現地にいたら両者をハシゴするのは無理だったはずなので、良いタイミングでYouTube中継にシフトできたのかも……と無理矢理ポジティブに捉えることとします。
 23時ちょうどに自宅着。シャトルバスや新幹線の待ち時間なんかを含めてもGREEN STAGEを離れてから3時間半で帰宅できました。やっぱり近いですね、苗場。
 

荷物の反省会

 荷物は前回リストアップした内容でほぼ正解でしたが、いくつか印象的なものだけ振りかえっておきます。

  • 現金

 去年もほとんど使わなかったけど、今回も現金の出番は2回だけ。越後湯沢駅⇒会場のシャトルバス(500円/人)とドラゴンドラ(1500円/人)のみでした。
 新幹線はモバイルSuicaで、他はぜーんぶApple WatchのQUICPayで済ませました。超らくちん。財布をバッグの奥深くにしまっておけるので、スリ対策の面でもメリットが大きいですね。
 他のフェスでも電子マネーが普及しまくってほしいものです。具体的には朝霧JAMとか。同じSMASHの運営なのになんであちらは電子マネーが一切使えないのか……。

  • イス

 去年買ったヘリノックスのチェアゼロがまさかの行方不明。
 少なくとも昨年の朝霧JAMまでは健在だったので、どこかに忘れてきてしまったことはないと思うのですが……。
 ただ、移動の多いフジロックでは(組み立て&分解に時間のかかる)ヘリノックス型のチェアはあんまり相性が良くない気がしてたので、この機会に簡易なつくりのイスを買うことにしました。モンベルのこちら。

 安い早い軽いの三拍子揃ってます。もちろん長時間座るならヘリノックス等々のほうがずっと良いですが、フジロックで一箇所にずっと留まることって(僕の場合は)そんなにないので、機動性重視で正解でした。

※2023年追記
2021年以降、ヘリノックス型の組み立て式椅子(他社の類似品含む)はフジロックに持込み禁止となっているのでご注意。
↓にあるように、人が混み合ってる中を折りたたまずに(椅子の形のまま)持ち歩く人が多く、私自身も何度も危ない思いをしてきたので、禁止しているのは大賛成(ほんとは使う人のモラルやマナーの問題なんだけど……)。


私は2019年以降も毎回フジロックに行ってますが、上に挙げた簡易なやつをずーっと使ってます。

  • 寝る前に使うと足をいたわってくれるもの

 初日から夜通し全力で踊ったせいで、2日目も3日目も(というか帰ってきた今現在も)足の痛みを抱えっぱなしで大変つらかったです。
 宿シェアした人たちが休足時間とかボルタレンとか使っているのを見て「それだー!」と思いました。次回は必須。

  • 春空シャボン玉ペンダント

 今回これを忘れてた! ozknグッズ。天気の良い日には、魔法的電子回路とはまた別の意味で大活躍することでしょう。
 

2回目のフジロックをふりかえって

 ――と、3日間をつぶさにふりかえりましたが、こうしてみるとあんまりライブ観てないなとか、いろいろ食ってるけどもうちょっと新規開拓をしてもよかったんじゃないかとか、いずれは木曜の前夜祭から月曜朝までフル参加したいなとか、いろいろ感想はあるもののそれらをギュッと圧縮するなら「楽しかった。来年もまた行きたい」の言葉に尽きると思います。
 個人的に、今年のフジロックはピンポイントにぶちあがった場面こそ少ないものの、ずーっと非日常ならではの楽しさが続いていたような気がします。そりゃみんな毎年来ますよね。
 去年ははじめてだし何が何でも観なきゃいけないステージがあったし天気も荒れまくっていたしでとにかくいっぱいいっぱいでしたが、今年、一度経験した身でマイペースに楽しんでみたところで初めて気づく部分も多かったです。
 たとえば来場者のファッション。冷静に見てみると、バンドTだけじゃなく、スポーツチームのユニフォームもけっこう目につきます。バンドにしろスポーツチーム(または選手)にしろ、自分のアイデンティティーを遠慮なくオープンにできる場なんだろうなと感じました。タトゥーとかもそうですよね。
 ただ、(この文章ではあえて記録に残さなかったですが)アイデンティティーを遠慮なくオープンにできる、ってことは個々のエゴとエゴがぶつかりやすくなるわけで、そういう意味でのしんどさも感じました。具体的にはステージ撮影とか、歩きタバコとか、椅子を折りたたまずに持ち歩いたりとか。フジロックは自主性を尊重するというか、あまり運営側でルールやマナーを強く訴えないスタンスだと思うんですが*1、個人的には「これはダメ」「それは危険」といったガイドラインをもうちょい明確に打ち出してもいいんじゃないかなと感じます。
 
 最後ちょっと愚痴っぽくなっちゃいましたが、まあそんなことがあってもプラマイでまた行きたいと思わされるのがフジロックのすごさです。フジロックに来ている9割9分9厘以上の人たちは最高だと思ってます。来年もまず間違いなく行くでしょう!
 その前に今年はSONICMANIAもPEANUTS CAMPも夏の魔物も朝霧JAMもあるぞ!

*1:今回、ゴミ捨てに関しては「OSAHO」のキャッチフレーズを掲げて注意喚起してましたが、たぶんフジロック的にはアレもけっこう思いきった舵取りだったんだろうと推測