小沢健二「LIFE再現ライブ」(2024.8.31日本武道館)ライブレポート

 2024年8月31日(土)に日本武道館でおこなわれた小沢健二『LIFE再現ライブ』のライブレポートです。

 小沢健二のアルバム第2作『LIFE』が発売されたのが1994年8月31日。そのちょうど30年後に『LIFE』全曲を再現する――というのが今回のライブでした。
 ライブの中身も外身も詳しくは後述しますが、(いつも通りの)大ボリュームになってしまったので、先に自分なりの感想を書いておきます。以下、基本的にである調で。

目次

「再現」を突き詰めた先の、見たことのないもの
【1】ライブ開催まで
【2】8月30日の前夜祭
【3】『LIFE』の曲をモチーフにしたグッズ
【4】Pop-up Hotel
【5】ライブレポート

「再現」を突き詰めた先の、見たことのないもの

 じつは、「過去のアルバムの再現ライブ」ほど小沢健二らしくないことはない。なぜなら、小沢健二は常に新しいことをやり続けてきたからだ。

 これは90年代からずっとそうで、アルバムごとにジャンルが異なるし、ライブやテレビで過去の曲をやるときも毎回のようにアレンジを変えてくる。楽器の構成もさまざまで、オーケストラを入れた30人超の大規模なセットもあれば、5人ほどのバンドセットだってある。同様に、自ら手がけるステージやグッズなども含めたデザイン・演出も含めてライブ全体で新しいものを提示してくる。「この曲は聞き飽きた」「また同じパターンか」などとは絶対に言わせない*1
 ほとんどのライブで最新曲がお披露目されるのも90年代から一貫している点だ。それもリリースされたばかりの曲ならともかく、リリースされてもいない曲を、なんなら何曲もやる*2

 そんなわけで、『LIFE再現ライブ』と最初に聞いたとき、個人的には「それはそれでもちろん観たいけど……小沢健二らしいライブになるのか?」と少し首を傾げてもいた*3
 しかし、当時のレコーディングに参加したメンバーを(故人以外はほぼ完全に)集められるだけ集めて、楽器や機材も当時使ったものを使えるだけ使って*4、CDに収められていたサブベースやSEに至るまで全部鳴らして——ここまで生で「再現」されたら、普通のライブで聴ける音ではなくなり(かといってCDをそのまま聴くのとも異なり)、見たことも聴いたこともないものがあらわれる。
 今回のライブ中、後半のLIFE再現パートに入る前のMCで小沢健二自ら「あんまり聴いたことないと思う」と述べたとおり、「再現」の度合いを徹底的に、執拗なまでに高めると、これはもう新しい試みなのだ。

 さらに、その再現の合間の「変奏曲」の存在がまた、ライブの表現を広げていた。服部隆之さんの指揮による(おそらく今回限りの)「ぼく旅」「ドアノック」「ラブリー」の短いオーケストラアレンジ。また「ブギーバック」や「いちょう並木」では、30年前ではない今のライブにおけるこれらの曲の最新形を見せていたし、「東京恋愛専科」のアウトロにおける奇行も観客の心に強く印象づけられたことだろう*5

 ライブの後半で『LIFE』の「再現」を突き詰めた一方、ライブの前半では最近の曲(それこそ先述の「リリースされてもいない最新曲」も含め)と90年代の曲が織り交ぜられていた。個人的には、小沢健二の音楽は近作のほうがより凄いと思っているため、「『LIFE』を再現するなら」と久々にライブに来た人にも新しい曲が深く届いていればいいなと願う。

 また、小沢健二のライブに毎回行くようなファンからすれば、大きな驚きがあったのはむしろこの前半のほうだ。『LIFE』の次作にあたる『球体の奏でる音楽』に参加していたピアニスト、渋谷毅さんとの久々の(おそらく27年ぶりの)共演
 渋谷さんが参加した「旅人たち」とその直前の「天使たちのシーン」において、ステージに立っている他のメンバーの名前とあわせて 「青木達之!」 *6 「川端民生さん」*7と亡きメンバーを呼ぶ場面は、今回のライブでも特に印象に残る瞬間だった*8

 今回のライブを「祝祭的」「多幸感」と表現する感想もいくつか目にしたが、それはあくまでひとつの側面だ。祝祭とは反対の、30周年の場に集えなかった人たちのことを悼む表現も少なからず含まれていた。武道館の玄関をフォトスポット化させた「↓LIFEから30年後の武道館にいます!」の看板が象徴するように非日常そのものの空間だったが、別に祝祭の場だけが「非日常」ではない。悼むための「非日常」もある。グッズや会場内のあちこちで見られた提灯からも、夏祭りのようでありつつ、お葬式やお盆の迎え火・送り火も同時に連想させられたし、総じて、日常や生活から離れた儀式的な場に見えた(だから尚更、最後には「生活の場に帰ろう」と宣言しなければならないのだろう)。
 この30年でいなくなった人たちもいるし、この30年で生まれてきた人たちもいる。
 MCによればこの日は1,000人の子どもが来場していたらしい。今回も演奏された2019年の曲、「彗星」の歌詞にはこうある。

「だけど少年少女は生まれ 作曲して 録音したりしてる」
「今遠くにいるあのひとを 時に思い出すよ 笑い声と音楽の青春の日々を」

 「明るい」「楽しい」だけではない、「暗さ」や「悲しさ」――そういった、多幸感のなかで対極の視点を持っているところも含めて、あの夜の武道館は『LIFE』的な場だった。「天使たちのシーン」や「旅人たち」があったからこそ、『LIFE』のそうした面がより強く、よりエモく感じられたのではないか。
 ライブの終盤、「愛し愛されて生きるのさ」の 「分別もついて齢をとり」「それだけがただ僕らを悩める時にも未来の世界へ連れてく」 といったフレーズも、26歳の小沢健二と56歳の小沢健二では込められたものが異なるだろうし、聞き手の我々にしても初めて聴いた頃と今では受ける印象が違うはずだ。

 演奏する人たちも聴いている人たちも、「気が遠くなるほどの距離を僕らは歩いてきた」*9。徹底的に「再現」したライブだからこそ、当時と今との違いが却って浮き彫りになって、思いきり歌い踊りフィンガースナップを鳴らしながら、変わらないものなんて無いのだと実感させられた。

 ――と、感想をひととおり書いたうえで、以下、ライブの細かい内容や所感について、記録のため残してゆく。

▲目次へ戻る▲

【1】ライブ開催まで

 2024年の小沢健二の活動は、元日の

  • 新曲「Noize」を収めた『東大900番講堂講義 ep』配信リリース*10
  • 昨年9月の『東大900番講堂講義』の配信

に端を発し、4~5月には

  • スチャダラパーとの30年ぶりの共作『ぶぎ・ばく・べいびー』シングルCDリリース
  • 小沢健二 ft. スチャダラパー VS. スチャダラパー ft. 小沢健二名義のライブ『今夜はブギー・バック発売30周年記念ライブ「ぶぎ・ばく・べいびー」』開催
  • 新曲3曲を携えた東名阪ホール公演『Monochromatique』(以下『MCMQ』)開催

 ――と、上半期だけでもハイペースなアウトプットが続いていた。
 いつもならここで半年~1年くらいの沈黙期間があってもおかしくないくらいだが、そんな最中、4月のライブ『ぶぎ・ばく・べいびー』にて発表されたのがこの『LIFE再現ライブ』である。

 さらに、『MCMQ』から『LIFE再現ライブ』までの4ヶ月弱のうちにも、

  • 『LIFE』リマスター版(ハイレゾあり)の配信リリース
  • 『MCMQ』のライブ映像『追伸、モノクロマティック』の配信
  • 『LIFE』リマスターアナログ盤の発売(30年越しにオリコン1位!)

と盛りだくさんの日々が続いた。深刻な小沢健二不足の時代*11を経験している身としては、供給の多さにうれしい悲鳴というほかない。

 直前の『MCMQ』は東名阪(順序と公演数的には「名阪阪東東」の5日間)の各2,500~3,500人くらいのホールで「名阪のチケットなら取りたい人は取れるけど、東京公演はわりと争奪戦」くらいの競争率だった。だから武道館をセンターステージで使っている今回のキャパ(14,000人くらい?)ならそこまで大変な競争にならないのでは……と思ったらそんなことは全然なかった。競争率が高すぎた。
 『MCMQ』は新曲をいくつも披露する、現在進行形のファンに向けた公演だったが、やはり『LIFE』、それも武道館となると客層が何倍にも広がるようだ。私の友人知人だけでも、行きたいのに今回ばかりはチケットが取れない! と悔しい思いをしている人が多く見受けられたので、おそらく過去最大級の競争率だったのでは。当日、会場のまわりで「チケット譲ってください」と札を掲げている人も複数見かけた(小沢健二のライブ会場で見かけたのは2010年の「ひふみよ」ツアー以来だと思う)。

 そこに加えて、無事チケットを手にした人たちまでも振り回されたのが、8月下旬の日本列島に長く居座った台風10号の存在だ。
 コンサート1週間ほど前の時点では「公演2日前には日本を通過しそうだから、全国的に何も影響なさそうだなあ」などと呑気に眺めていたが、それからみるみるうちに速度を落とし、このままだと直撃? いや、ここまでスピードダウンしているならいっそもっと遅れたほうがましなのか? でもこんなに遅いと各地への雨や風の影響が大きそうで心配だな……など、いろいろと気を揉んで、台風の進路を何度もチェックする日々が続いた。

 これは敢えて記録として書き残しておきたいのだけど、ただでさえ熾烈なチケット争奪戦があったところに、台風により交通の乱れも見込まれる状況でおかしな方向に過熱したのか、コンサート2~3日前のSNSの荒れっぷりは見るに堪えない状況だった。「中止しろ」「延期しろ」「現時点での見通しを早く発表しろ」といった声を多く目にしたが、どれも簡単にできる話じゃない。
 もちろん武道館に集まった人たちの身の安全が直接的に危ぶまれる状況になれば中止の可能性もあったろう。しかし、そもそもの台風の進路予報が刻々と変化している(=プロによる予報ですらハッキリしていない)状況下で「中止」や「延期」といった大きな判断を急げるはずがない。こと今回は「2024年8月31日」という日付自体に特別な意味があるし、武道館自体そう簡単に使える会場じゃないし、当時のメンバーをほぼ完全に集めていることも含めとんでもない量のコストをかけていることも想像に難くない。これを「延期」するのは、もう一度ゼロから同じライブを企画し直すのと同等の負担がかかるはずだ。あのとき小沢健二に対し「要望」の枠にとどまらない言葉遣いをしていた人たちのことは忘れないし、そうした人たちがいざライブ当日になると無邪気にはしゃいでいる姿を見てなんとも言えない思いをした、ということはここに書き残しておく。

 結果的には、8月31日の時点で台風10号は関東地方まで到達せず、ライブは開催された。
 ライブ中のMCでも「埋まりました」と言われていたように空席は目立つほどではなかったが、それでも交通インフラへの影響は少なくなかったし、さまざまな事情から来場を断念した人もいただろう。
 今回、前日朝の段階で「交通機関の運休等により来場できないお客様に関しては、後日払い戻しの詳細をお知らせ致します」と告知されていた。決して主催者側にそこまでする義務があるわけではないし、この時点でもう異例の措置なのだが(普通のライブだったら客が「自分の乗る電車が停まってしまい開演に間に合わなかった」と訴えても払い戻しにはならないだろう)――このライブレポートを書いている最中、さらに異例すぎる措置として、新作メモラビリア『8月31日記憶装置』が発表された。

 ガチな理由での欠席に対する、ガチな対応。さすがである。私は現地でライブを観たのでもらう資格はないのだけど、どれも欲しすぎる(ギターだけはさすがにおそれおおいけど)。

▲目次へ戻る▲

【2】8月30日の前夜祭

 前日8月30日の夜、武道館の敷地内にある「中道場」にて、グッズの引き換えとギターおよびスネアの展示がおこなわれた。

 グッズの引き換えはライブ当日にもできたのだが、ギターおよびスネアの展示は前夜祭限定。

 写真を見ればわかるように、ギターもスネアもむき出しの状態で展示されており、触るのはダメだが写真撮影は自由。ピーク時には各ギターごとに行列(中道場の外まで伸びるほど)ができていた。
 このスネアは、(何も説明書きなどはなかったが)スカパラの青木達之さんのものだろう。90年代の小沢健二の活動において、青木さんの存在は欠かせないものだった。レコーディングやライブといった仕事上の関わり以前に、5月にOAされたラジオ特番「J-WAVE SPECIAL PLAY IT BACK, BOOGIE BACK!」によれば、90年代、ともにさまざまな音楽を聴いてきた友人で、先に引用した「彗星」の歌詞「笑い声と音楽の青春の日々」そのものだったと思われる。

(番組内で「ぼくらが旅に出る理由」をかけた後)

小沢「僕、すごいこの曲、スカパラを思っちゃって。青木達之さん、初代ドラムの。僕はほんと仲良くさせていただいて、彼の方がちょっとだけ年上だったから、いっぱいレアグルーヴとか、レコードもたくさん教わったし。もちろん、いろんな友達にも青木さん通じて会ったし」

2024/5/3「J-WAVE SPECIAL PLAY IT BACK, BOOGIE BACK!」(J-WAVE)より

 ともに展示されていた2本のギターは『LIFE』の曲たちを作ったギターだというが、同じく、青木達之さんやそのドラムも『LIFE』の曲、ひいては小沢健二の音楽を作った欠かせない存在なのだろう。

 また同時に武道館の中ではゲネプロ(いわゆる通し稽古)が行われており、その音漏れに耳を傾けている人も少なからずいた。小沢健二自ら「中はゲネ!」 と書いていたから、その音漏れも「前夜祭」の一環だったのでは……と勝手に解釈し、私もグッズの引き換え後に音漏れを聴いていた。「あ、この曲の次にその曲をやるのか」とかワクワクしたり、「あ、『LIFE』再現パートは逆順でやるのか」と悟ったり*12

▲目次へ戻る▲

【3】『LIFE』の曲をモチーフにしたグッズ

 小沢健二の現在進行形のファンには当たり前、だけどそうでない人には驚かれるであろうことのひとつに、「CDやグッズ、サイトなどを自身がすべてデザインしている」 点が挙げられるだろう。特にグッズは、アイテムの選び方もデザインも年々すごみを増している。そして買えなさ、競争率も年々厳しくなっている
 特に2022年のツアー『So kakkoii 宇宙 Shows』(以下『Sk宇Shows』)あたりから売り切れ率が上がり、物販の行列の長さもエスカレートして、今回は8月(しかも武道館の物販といえば屋外)なので日が照っても雨が降っても「地獄」*13間違いなし――と恐々としていたファンも多かったはず。

 そこで、さすがに炎天下で行列ができては地獄すぎてマズいとなったのか、今回は「事前注文⇒現地で受け取り」の方式になった。
 しかし、この「事前注文」はウェブのみでは完結せず、ローソン(またはミニストップ)店頭のLoppiで引換券の発行が必須というもの。この購入手順の詳細が発表されたのがライブの3日前で、先述のように台風接近により各地で不安が広がっている時期だったこともあり、コンビニへ行く必要のある方式や先着順であることに対する不満の声も多くみられた。
 このLoppiの購入手順自体はわかりやすく説明しているので良いと思うのだが*14、実際に購入した身からすると、LoppiのUIが物販(とくに先着順かつ品種が多いもの)向けに設計されていないので、そこのアンバランスさは感じた。
 ただ、これまで行列に何時間も並んでいたことに比べれば、今回はもう圧倒的に快適だった*15。先着順ゆえ、数が少ないものからどんどん売り切れていく状況で、特に後で挙げる提灯やギターキーホールダーはそもそも在庫がある瞬間すら目にできないレベルだったが、買えたり買えなかったりの駆け引きも含めての遊びだと思って楽しんでいた。

【3-1】「愛し愛されて生きるのさ」の提灯

 後述のギターキーホールダーと並び、最速で売り切れたグッズ。

 ただ、実はこの提灯だけ、公演当日の昼過ぎに急に在庫が復活した。このとき公式のインスタアカウントで告知されたため、目ざとくそれを発見した人は最寄りのLoppiへ駆け込み、提灯を手にしていた。というか私もその一人である。

 告知を見てあわてて武道館近くのローソンに向かうとLoppiの前には先客がおられたので、「……提灯ですか?」「提灯です!」と暗号のような会話をした。その後、自分がLoppiを操作している最中にも提灯目当てと思しき方が続々と並んでこられて、ハイテク(インスタ告知にいち早く気づいた人)とローテク(実店頭へ行って購入)の混在ぶりがなんかおもしろかった。

 この提灯には付属品が多く、並のスマートフォンより一回り大きいくらいの提灯本体に加え、LED電球が2個付いたチェーン、弓型の持ち手、台座、説明書、が1セットとなっている。暗くなった武道館の客席で点いたピンク色の提灯はかなり綺麗だった。

 これまでの小沢健二のライブにおける「電子回路」みたいな立ち位置の光り物なので、831個限定といわず何千個も客席で点灯していたらものすごい光景になっていただろう――と思う。が、「国内生産の和紙手貼りの提灯」らしいので、そんな大ロットで製造するのも難しかったのかも。台座はライブ当日というより終演後、家のなかで飾るとき用のものだと思われる。
 公演前日には携帯提灯のデータも配布された。このページの画像を保存しておいて、明るさを最大にした(ライブ中のMCにて小沢健二は「明るさ、“爆”で!」と表現)スマートフォンの画面いっぱいに表示すると簡易的に提灯をたくさん出せる、という仕掛け。
 ステージ上のメンバーは、ピンク色(蛍光?)のショルダーベルトでこの提灯を腰に提げていて、それがまたおしゃれだった。

 それから、会場の看板の左右やグッズの引き換えコーナー、入場口などにも提灯が飾られていたが、これは販売分の提灯よりもかなり大きいサイズ。非売品だが、『8月31日記憶装置』に抽選で付くとのこと。

【3-2】「ラブリー」のギターキーホールダー

 302個限定で、おそらく入手最難関だったのがこちら。私も買えなかった。
 このギターに関するエピソードは↑のエッセイにあるとおり。買えた人に実物を見せてもらったところ、このエッセイを印刷したペーパーもキーホールダーに同封されていた。キーホールダー自体のつくりが非常に緻密で、長辺でも5cmちょっとくらいのサイズなのに、ギターの弦やフレット等が細かい凹凸で表現されている。なので、もし買えたらそれはそれで勿体なくて普段使いできなかっただろう。

 『8月31日記憶装置』には、こちらの別デザイン(背景色が青ではなく白)バージョンが封入されるらしい。

【3-3】扇子「東京恋愛専科」「いちょう並木のセレナーデ」「ドアをノックするのは誰だ?」

 「東京恋愛専科」「いちょう並木のセレナーデ」「ドアをノックするのは誰だ?」の3曲をモチーフにした3種類の扇子で、メイドイン京都とのこと。作りのしっかりした良い扇子で、伽羅の良い香りがする。早々に完売していたけど、天気が悪かったためか会場の内外で扇いでいる人はそこまで見かけなかった。みんな大事に持って帰ったのだと思われる。  これまためちゃくちゃこだわった作りで、明らかにモノとしての質が良いし、印刷もきれい。扇子を閉じるとよくわかるんだけど、上端は金色で塗られている(買えた人はぜひ、よく見てみてほしい)。
 あとライブ中、「東京恋愛専科」のときにハープの朝川さんがこの扇子を広げて構えていた。

【3-4】「ぼくらが旅に出る理由」の歯磨きセット

 「ぼくらが旅に出る理由」のMVは、洗面所で小沢健二が歯磨きなどの身支度をするもの。Pop-up Hotelのグッズでも同じ形・同じ色の歯磨きセットが付いてきたが、カップのデザインは異なる(後述)。

【3-5】バンダナ・デ・ネコミミ

 今回のグッズ(シャツ以外)はどれも『LIFE』の楽曲をモチーフにしているので、これは「おやすみなさい、仔猫ちゃん!」にちなんでいるのだろう(「ブギーバック」モチーフが無いのは、4月のライブ『ぶぎ・ばく・べいびー』にて既に製作済のため、ということらしい)。
 シンムラヤマさんとの共作で、製作の経緯は↑のエッセイ参照。
 メンバーもほぼ全員こちらを着用。小沢健二だけはこのバンダナのウサミミバージョンを着用していた。あと、木暮晋也さんはトレードマークのリーゼントが隠れてしまうためか不着用だった(他にも不着用の人がいたかも?)。

【3-6】シャツ

 今回のシャツはギターをモチーフにしたものが多め。キッズサイズ含め、ライブ前日までにすべて売り切れていた。
 書き下ろしエッセイ付きのシャツというのもなにげに前代未聞である。

▲目次へ戻る▲

【4】Pop-up Hotel

 今回、ライブにあわせて「Pop-up Hotel」なる限定グッズ付きの公式ホテル宿泊プランが提供された。都内の16のホテルから希望の宿泊先を選んで申し込む、という流れ。各ホテルについて書かれた小沢健二のコメントが面白いので、未読の人はぜひ。

 私も申し込んだところ、当初申し込んだホテルが定員オーバーで、別のホテルを案内された。朝食付きだったので、ライブ翌朝の朝食会場で「昨日、武道館行ってましたよね?」といった佇まいの人たちがちらほらと目についた。

 ホテルプランに付いてきた限定のグッズは以下の3つ。

【4-1】歯磨きセット

 先述のように、グッズとして販売された歯磨きセットとはカップのデザインが異なる。

【4-2】おどろキーホールダー

 鍵の形のキーホールダーだが、↑の説明にあるように、栓抜きとして使える……らしい(なかなか栓抜きを使う場面がないのでまだ実際に試せてはいない)。

【4-3】ランドリーバッグ

 「ランドリーバッグ」と聞いて、普通のホテルにあるようなペラッペラのビニール製のやつを想像していたが、実物は厚手の布製で、長く使えそうなものだった。サイズ・質感的には2016年『魔法的』ツアーのときのヨットサックに近い。私がホテルで受け取ったバッグはオレンジ色寄りの茶色だったが、緑色のものもあったらしい。

▲目次へ戻る▲

【5】ライブレポート

会場・ステージ

 当日、武道館の玄関前には錚々たる面々によるお花が並んでいたが、なかでもこちらは別格だった。

 ステージは、アリーナの中央に大・中・小の3つの八角形のステージがピラミッド状に積み重なったかたち。
 一番上の小のステージはほぼ小沢健二専用で、たまにスチャダラパーも登っていたはず(真城めぐみさんも登場時に上がっていたかも)。小ステージのマイクスタンドは3方向に1本ずつ立っていて、小沢健二はほぼ常にギターを弾きつつ歌いつつ、わりと頻繁に向きを変えていた。
 中と大のステージには各メンバーの楽器や座席がステージの外を向くように配置されていたが、全員が常に出ずっぱりというわけではなく、たとえばヒックスヴィルの木暮晋也さんや中森泰弘さんは担当する曲のときだけの登場だったし、渋谷毅さんの出番も「旅人たち」「大人になれば」の2曲だけだった。私の席からは見えなかったのだが、アリーナ席の最前列に、待機中のメンバー用の座席(野球でいうベンチみたいなもの?)があったらしい。真城さんのインスタ配信を観るとその模様がよくわかる。

 で、八角形のセンターステージでメンバーそれぞれがステージの外を向くような配置、ということはメンバー全員の顔がまんべんなく見える席はひとつも無かったことになる。
 先述のように、主役の小沢健二だけは3方向に何度も向きを変えていたし、スチャダラパーのBoseさんとANIさんはステージの上も下も身軽に動き回っていたけど、他のメンバーの顔や姿は見えたり見えなかったり、だった。
 2階席視点だとステージ全体を遠目に見渡せても終始背中しか見えないメンバーがいただろうし、アリーナ席視点だとステージに近い代わりにそもそも3層のステージそのものに遮られて反対側の中・大ステージに立っているメンバーの姿自体が最初から最後まで見えなかった。
 今回、券種が細かく分かれておらず*16、アリーナ席の前方だろうと2階席の最後尾だろうとみんな同じ9,000円(U-18は6,000円)だったが、どの席でも平等に不平等な見え方だったと思う。終演後に離れた席で観た人同士が各々の記憶を結びつけることでようやくステージの全体像がぼんやり浮かび上がってくるような感じがあって、個人的にはそれがとても面白かった。

 その「平等に不平等な見え方」を象徴する話をひとつ。私はここ最近の小沢健二のライブの後によくTwitterのスペースで「生活に帰れない」という題で感想の生配信をしているのだけど、そこで「子どもたちのコーラスは私の席から全く見えなかったんですが、何人くらいいたように見えました?」とリスナーの方に問いかけたところ、寄せられた回答が「6人」から「20人」まで、てんでバラバラだった。観た人たちの記憶の中で子どもたちのコーラスの人数がこんなにズレまくっているのが面白すぎた(ほんとの正解はわからずじまいだが、「20人」はさすがに実際の人数からかけ離れていた模様)。

 座席には、「1994年8月31日から来たファックス」がもれなく置かれていた(これも『8月31日記憶装置』に含まれるらしい)。『8月31日記憶装置』の説明文によると、「94年にぼくの(ホテルの)部屋にとどいたファックスをスキャンして、歌詞を入れたもの」とのこと。
 曲名は小沢健二の手書き文字(いわゆる「オザ文字」)で書かれており、その表記のとおりにファックスに載っている曲名を挙げると、「愛し愛されて」「台所は毎日の巡礼」「ぶぎ・ばく・べいびー」「東京レンアイ」「おやすみ猫」「天使たちのシーン」「彗星」「ラブリー」の8曲。

 開演前、場内ナレーション(おそらく前回の「MCMQ」ツアーと同じ方の声)で「スマートフォンの電源は切らずに、機内モードなど、音が鳴らない状態にしてください」といった旨のアナウンス。17時30分開演予定だったが、実際の開演は30分ほど押したと思う。

セットリスト

1.台所は毎日の巡礼
2.流星ビバップ (メンバー呼びこみ)
3.フクロウの声が聞こえる *
4.強い気持ち・強い愛 *
(総座り)
5.サマージャム'95 (コールアンドレスポンスのみ) *
6.天使たちのシーン
7.旅人たち
◆モノローグ「フィンガースナップ」
8.大人になれば
9.台所は毎日の巡礼
10.ぶぎ・ばく・べいびー *
11.彗星 featuring スチャダラパー *
12.流動体について

◇MC「LIFEの他にやってほしい曲のリクエスト」
◆モノローグ「覚えてる、ってめちゃくちゃ素敵」

13(-9). いちょう並木のセレナーデ (reprise)
14(-8). おやすみなさい、仔猫ちゃん!
15(-7). ぼくらが旅に出る理由
15(-7)'. ぼくらが旅に出る理由(変奏曲)
16(-6). 今夜はブギー・バック (nice vocal) featuring スチャダラパー *
16(-6)'. 今夜はブギーバック(コールアンドレスポンス) *
◇MC「ちょいスピる」
17(-5). ドアをノックするのは誰だ?
17(-5)'. ドアをノックするのは誰だ?(変奏曲)
18(-4). いちょう並木のセレナーデ
18(-4)'. いちょう並木のセレナーデ (合唱)
19(-3). 東京恋愛専科・または恋は言ってみりゃボディ・ブロー
19(-3)'. 東京恋愛専科(アウトロ)
◇MC「服部隆之さん」〜ドアをノックするのは誰だ?(変奏曲)
◆モノローグ「LIFE IS COMIN' BACK」
20(-2). ラブリー
20(-2)'. ラブリー(変奏曲)
◆モノローグ「LIFE HAS COMIN' BACK」
21(-1). 愛し愛されて生きるのさ
◇MC「生活に帰ろうぜ! じゃなくて!」

22.愛し愛されて生きるのさ *
「生活の場に帰ろう」

※曲名末尾の*はスチャダラパー参加
※MC・モノローグのタイトルは筆者がつけた非公式なものです

※以降、MCやモノローグの内容を覚えている限り記載していますが、あくまで記憶とメモをベースにしたものなので、正式な言い回しとはいろいろ異なるはずです。ご了承ください。

1.台所は毎日の巡礼

  • いきなり最新曲。ほんの数フレーズ(ラップ部分?)のみ、だったはず。2022年の『Sk宇Shows』のオープニングもその時点での最新曲「運命、というかUFOに」のラップ部分だったのを思い出した。

▲セットリストへ戻る▲

2.流星ビバップ (メンバー呼びこみ)

  • インストの「流星ビバップ」に乗せ、小沢健二による「『LIFE』というアルバムの30周年を祝おう」「(メンバーの名前)、いよぉ〜、パン!」というメンバーの呼びこみに合わせてクラップ。
  • 「三本締めのリズムで」みたいな言い方をしていたように思うんだけど、1発ずつのクラップなので、いわゆる一丁締め(関東一本締め)にあたるのかも。
  • 「グッズ」のパートでも書いたように、メンバーは基本的に全員ネコミミ着用&提灯を肩掛けしていた。
  • メンバーの多く(ほぼ全員?)が自転車で登場。自分の席からは見えなかったけど、メンバーが降りたあとの自転車を片付ける担当のスタッフもいたらしい。たいへんだ。
  • 最初のメンバー(途中で登場/退場するメンバーもいるので、この時点で全員を呼びこんでいるわけではない)が揃ったところで、あらためて「流星ビバップ」を歌いはじめる。
  • 先述の携帯提灯のデータに書かれていたのも「流星ビバップ」の歌詞だった。

▲セットリストへ戻る▲

3.フクロウの声が聞こえる *

  • 現在の小沢健二の代表曲、といっていいだろう。2016年の「魔法的」で初披露されて以降、ほとんどのライブで演奏されているはず。
  • イントロだったか間奏だったか忘れたが、途中でスチャダラパーと真城めぐみさんがステージに上がった。
  • 『追伸モノクロマティック』を何度も観たあとでは「ゥイッスル!(ホイッスル)」が無いと違和感がある。

▲セットリストへ戻る▲

4.強い気持ち・強い愛 *

  • 「フクロウ」からノンストップで「強気強愛」。序盤から飛ばしまくりである。
  • 曲構成的には、2019年配信リリースの「1995 DAT Mix」に近いアレンジ。「強気強愛」はバンドメンバーが多くても少なくてもそれぞれの良さがあるけど、やっぱりオーケストラやホーンが揃っていると迫力が違う。
  • 『Sk宇Shows』や2023年の『東大900番講堂講義・追講義+Rock Band Set』でもあった「LIGHTS ON! つけろ!」の煽りも健在。今回はONするのは電子回路や懐中電灯ではなく、スマートフォンのフラッシュライト。センターステージの良いところは、どの席からどのように見回しても客席の光が綺麗に見えること。星空のような光景だった。
  • 「強気強愛」にスチャダラパーが参加して煽るのは『MCMQ』ツアーから引き続き。スチャダラパーのこんな使い方ができるのは小沢健二先生のライブだけ。

▲セットリストへ戻る▲

(総座り)

  • 前回の『MCMQ』に続き、今回も「総座り」(「総立ち」の逆)を指示。

5.サマージャム'95 * (コールアンドレスポンスのみ)

  • 「フクロウ」以降スチャダラパーが出ずっぱりで、さらにここでスチャダラパーの「サマージャム'95」を使ったコールアンドレスポンスが入る。前回の『MCMQ』ツアーでは全公演にスチャダラパーが出演しており、そこでも何度か「サマージャム'95」を披露していた。
  • スマートフォンの携帯提灯を点けたうえで*17、客席を4つのエリアに分けて、それぞれで
Bose「みーんなそそのかされちまう」  
ANI「つーいつい流されちまう」  
Bose「結局暑さで参っちまう、誰のせい? それはあれだ」  
観客「夏のせい!」
  • のコールアンドレスポンスをやった。最後は客席全体で「夏のせい!」。

▲セットリストへ戻る▲

6.天使たちのシーン

  • 「30年前からのFAX」の歌詞を見ながらというMCからスタート。
  • 「天使たちのシーン」自体は近年のライブでもよくやるんだけど、フル尺での演奏はかなり貴重なはず。真夜中に流れるのも原曲通り「ラジオからのスティーリー・ダン」だった*18
  • 間奏のソロでメンバーの名前を呼んでおり、「NARGO!」⇒「北原雅彦!」⇒(GAMOさんの名前は呼ばなかったかも?)⇒「スカパラホーーーンズ!」⇒(「本当の扉を開けよう」のあと、小沢ギターソロ)⇒「中西康晴! 青木達之!」⇒「沖祐市、スカパラ!」の順序だったはず。
  • どのソロも圧巻だったけど、その中での小沢健二のギターソロがもう、すごすぎた。「天使たちのシーン」史に残る名演だったのではないか。何らかの形でリリースしてほしい(って言い出したらもう全編リリースしてほしいんだけど)。

▲セットリストへ戻る▲

7.旅人たち

  • イントロか間奏で、「ピアノ、渋谷毅さん」「ベース、岩見継吾さん——川端民生さん」とメンバーの名前を呼ぶ。
  • 最初、渋谷さんのピアノソロから始まったので「これは『旅人たち』と『球体の奏でる音楽』(楽曲のほう)のどっち?」と思ったが、小沢健二のボーカルが入ってきたところで「旅人たち」だとわかった*19。ただ、あとでよく考えたら「旅人たち」にせよ「球体の奏でる音楽」にせよ、CDには渋谷さんのピアノが入っていないのだった。
  • しかし、私が知る限り小沢健二と渋谷さんの共演は1997年8月のジャズフェスティバル以来、27年ぶり。「LIFE再現」のテーマが霞みかけるレベルの大サプライズだった。
  • 川端民生さんが2000年に亡くなられているため90年代の球体トリオ(小沢健二、渋谷毅、川端民生)の完全再現は不可能なのだけど、今回岩見継吾さんが入られたことで、今後のライブでも『球体』曲を同様の編成で演奏する道筋が見えてきた、かもしれない*20
  • 私の席は渋谷さんのピアノがよく見える位置だったので、御年84歳の渋谷さんが暗い中でステージを昇り降りするときにスタッフが付き添っている様子も見えた。

▲セットリストへ戻る▲

モノローグ「フィンガースナップ」

「ビートニク」と言われる作家たちはアメリカのカフェで集会をするが、カフェの上に人が住んでいるので拍手すると迷惑がかかる。そこで彼らは拍手ではなく指パッチン——フィンガースナップで同意を示した。  
ジャズやヒップホップの流れを汲むポエトリースラムのライブでは、観客は良いと思ったらフィンガースナップを鳴らす。言葉の邪魔にならない、クールな指パッチン。

ベースの岩見さんはポエトリースラムのライブに誘われていったときに「みんな指パッチンしてて何だろう」と思ったらしい。  
  • といった内容のモノローグ*21の後に、会場全体で指パッチンの実践。
  • ライブの1週間ちょっと前に指パッチンのコツを説明する動画をアップしていたので、練習してきた人も多かっただろう。私は右手では少しだけ鳴らせるけど左手は全然、な程度だが、小沢健二は両手で交互に「パチ、パチ、パチ!」と楽器のように鳴らしていた。
  • あと、↑の指パッチンの前にはクラップの鳴らし方を解説する動画も公開されていて、その影響か、クラップの音はいつも以上に強く鳴っていたと思う。が、一方で「拍手とかうざい」とも仰っていた。
  • 「クリック、クリック、クリック!」のコールに応えるかたちでみんな「パチ、パチ、パチ!」とフィンガースナップを鳴らす。

▲セットリストへ戻る▲

8.大人になれば

  • 直前のフィンガースナップからそのまま演奏開始。「大人になれば」自体は近年のライブでもやっているけど、本家本元の渋谷毅さんのピアノがとにかく嬉しい。
  • 間奏で、スカパラホーンズが2階席の扉から1人ずつ登場してソロを吹く。GAMOさんは北東、北原さんは北*22、NARGOさんは北西。武道館ってこんな使い方もできるのか! と驚いた。ただ、1階席の北方面の人にとっては頭上も頭上なので、何が起こってるのか全然見えなかったはず……。
  • 間奏でも「クリック×3」「クリック×4」「クラップ×4」「クラップ×3」のコールアンドフィンガースナップorクラップ。
  • 『Sk宇Shows』同様、「夏の日は魔法」は3連発だった。
  • 最後には、三三七拍子の指パッチン。要求されるレベルが高い。

▲セットリストへ戻る▲

9.台所は毎日の巡礼

  • 「一番新しい曲、今年の春ぐらいにできた曲」「ピアノ、紺野紗衣」とスタート。
  • 曲中で「これにもフィンガースナップが合うんじゃない?」とフィンガースナップが入る。
  • 初披露となった『MCMQ』と異なり、今回ストリングスが入ったので印象もけっこう変わっていた。

▲セットリストへ戻る▲

10.ぶぎ・ばく・べいびー *

  • 最初、「90年代の夏のように」まではソロの弾き語り。「今日は子どもたちが1,000人くらい来ている」「歌詞をみて、子どもたちに歌ってほしい」と呼びかけていた。私の席の周りは大人ばかりだったので子どもの歌声はほとんど聞こえなかったけど、「親子席」だとまた違う聞こえ方だったのかな?
  • 「90年代の夏のように」の後にSDPが出てきてバンド演奏に切り替わる。
  • この曲もライブでストリングスが入るのは初めて。で、それがめちゃくちゃ良かった。「ぶぎ・ばく・べいびー」自体、今後どれだけ生で聴ける機会があるかわからないし、こういう豪華なバージョンなんてもう幻みたいなものだろう。

▲セットリストへ戻る▲

11.彗星 featuring スチャダラパー *

  • 「ぶぎ・ばく・べいびー」から引き続きスチャダラパーがステージにいるので、もしかして? と思ったら、『MCMQ』の「運命、というかUFOに」のように、今回は「彗星」にBoseのラップが入った。細かいフレーズは覚えていないけど、「二度と戻れない美しい日」など、小沢健二のいろいろな歌詞を引用していたはず。このバージョンも一度限りなのだろうか。
  • 「彗星」の締めは、アカペラで「今ここにあるこの暮らしこそが」とサビを歌い、最後の「見ーーーてーーーるーーー」のところに小竹真理さんのティンパニのロールが入るのが『Sk宇Shows』あたりから恒例となっている。

▲セットリストへ戻る▲

12.流動体について

  • 「フクロウの声が聞こえる」と並び、現在の小沢健二の代表曲といえるだろう。先日の『追伸、MCMQ』でも「年々アンセム化していく」と言っていた。今の若いファンには「流動体」あたりから入った人もいるはず。
  • 「雨上がり」のあたりで「みんな歌えるんだっけ?」とシンガロングを求める。
  • また、「総座り」以降、立ち上がるタイミングを逸している人が多かったためか、ここで「立ちたい人は立つ」とも言われていた。
  • これは終演後に気づいたが、ライブで「流動体」に真城さんのコーラスが入るのはこれが初めて? もっと真城さんのコーラスに意識を向ければよかった。

▲セットリストへ戻る▲

MC「LIFEの他にやってほしい曲のリクエスト」

今回、LIFEの他にやってほしい曲のリクエストを募ったところ、久しぶりに来る人が多いのだな、と思った。
(客席笑)
いや、いい! 95年以来でもうれしい。
しかもお子さんを連れてきてくれている。あとで「Where do we go Where do we go, hey now?」って歌ってもらう。

今の僕の曲として、「流動体」「フクロウ」「台所」をやった。
そしてここからが『LIFE』再現。
すごいっすよ! あんまり聴いたことないと思う。
誰もいない深夜のスタジオで作った曲を、みんなに聴いてもらって。力が入って、エモくなってしまう。
ご容赦ください。なるべくちゃんとやりたいけど、やっぱり力が入ってしまう。

(子どもの泣く声が客席から聞こえて)子どもの泣き声が聞こえるのも最高。
小沢「曲順は、オルゴールの『reprise(リプリーズ)』から、逆順にやる」
(客席から驚きの声)
小沢「最初は『reprise』、次は『おやすみ猫ちゃん』(と略していた)、次は……」
(沈黙)
小沢「言えよ!」
観客「『ぼくらが旅に出る理由』!」
小沢「『ぼくらが旅に出る理由』、次は?」
観客「『ブギーバック』!」
小沢「『ブギーバック』、次は?」
観客「『ドアノック』!」
小沢「ほら、言える! 『LIFE』は、逆順でも言える、おそろしいアルバム」

▲セットリストへ戻る▲

モノローグ「覚えてる、ってめちゃくちゃ素敵」

覚えてる、ってめちゃくちゃ素敵だ。良かったこと、良くなかったこと。

▲セットリストへ戻る▲

13(-9). いちょう並木のセレナーデ (reprise)

  • オルゴールの現物を小沢健二が手回ししていた模様(自分の席からはオルゴールが見えなかったが、「回しているのを見た」という証言多数)。
  • 2012年の『東京の街が奏でる』(以下、『街奏』)のオープニングで毎回日替わりのゲストが鳴らしていたのと同じオルゴールかも?

▲セットリストへ戻る▲

14(-8). おやすみなさい、仔猫ちゃん!

  • 「1,2,3,4」の4拍子のうち「2,3」だけを叩くクラップ。
  • 最初、客席から「1,2,3,4」を全部叩くクラップが多く鳴っていたが、小沢健二が「再現してくれぇー!」と頼んだらちゃんと「2,3」だけのクラップになった。
  • 「Where do we go〜」のところで「子どもうたえー!」
  • 「おやすみ猫」をライブでやるのは「reprise」同様、2012年の『街奏』以来?*23

▲セットリストへ戻る▲

15(-7). ぼくらが旅に出る理由

  • 『ひふみよ』以降のライブでおそらく一度も演奏していない、例のイントロを完全再現。ベースのキメのところで「中村キタロー!」
  • ひとつ不思議だったのは、この曲のスカパラホーンズによる間奏が思いっきり省略されていたこと。ミスしたようにも思えなかったけど、なぜここだけ再現しなかったのだろう?*24

15(-7)'. ぼくらが旅に出る理由(変奏曲)

  • 「コンダクター、服部隆之!」
  • 変奏曲がどんなものだったか、文章で説明するのがとても難しい……。1分弱くらいの短さで、服部さんの指揮するオーケストラだけで演奏していた。これがまたどれも良かったので、一夜限りだなんて本当にもったいない。

▲セットリストへ戻る▲

16(-6). 今夜はブギー・バック (nice vocal) featuring スチャダラパー *

  • 通常のライブバージョンだとギターリフから始めることが多いが、今回は「再現」なので「ダンスフロアーに〜」のボーカル始まり。
  • いつの間にかステージに木暮さん(ネコミミ無し)が立っていた。
  • nice vocalの再現なので「16小節」でラップも短めで、いつもなら端折る「夜の半ばには」「夜の終わりには」あたりをちゃんとやるのも含め、今回限りの超レアなものになっていた。
  • アウトロの「ナナナーナナ……」フェードアウトも完全再現。

16(-6)'. 今夜はブギーバック(コールアンドレスポンス) *

  • フェードアウトして、終わった? と思ったらまた演奏が再開して、2017年のフジロック以降おなじみの「『ブギー』って言ったら『バック』って言ってくれ」のコールアンドレスポンス*25

▲セットリストへ戻る▲

MC「ちょいスピる」

小沢「上のほう(の座席)も見たい」
(客電が点く)
Bose「これさ、覚えてないと思うけど、台風だったんだよね。15%くらい来れないんじゃないかと言われてたけど、うまりました、満席」

Bose「(武道館に着くまで)どれくらい(時間)かかったか書き込んでもらおうよ。ANIの説では、『一度(飛行機で)仙台へ飛んだほうがいい』って。韓国経由とか(会場笑)」
小沢「ほんとありがとう。ブギーバックマンションに住んで『LIFE』を作っていた頃、スチャダラは兄弟みたいなもので、僕はうるさい末っ子みたいな」
Bose「最近、ブギーバックマンションの斜め向かいにLIFE(スーパー)ができた」
(会場笑)
小沢「武道館は八角形なんだけど、『LIFE』のCDの盤面を見たら、デザインが八角形だった」
Bose「ちょいスピる」
小沢「ネコミミのバンダナを撮影するとき、いつものカメラマンさんがどうしても都合つかなくて、今をときめく岡本充男さんにお願いしたんだけど、『はじめまして』と言ったら『はじめましてじゃないんですよ、僕、ドゥワッチャライクのアシスタントをやってました』と言われて。それで逆方向に、クリストファー・ノーランの映画(『TENET』だけじゃなく『メメント』あたりのイメージも入ってそう)みたいに遡ったら、『ああ、あの大学生、いる!』って」
小沢「そういうエラい人がいっぱいいる」(「ただ社会的にエラいとかそういうのだけではなく」みたいな言い方もしていたかも)
Bose「社長になってる人とか。どこに誰を並べるか、とかね(笑)」
小沢「今日の(招待している)ゲストは、言えない」
Bose「あと『子ども1,000人』」
小沢「それな」
小沢「スチャダラ(の出番)はここで最後じゃん? 『いちょう並木』のガヤもあるけど」
Bose「『LIFE』は泣いちゃう、木暮さんも真城さんもいる!」
小沢「あと4,5曲」

▲セットリストへ戻る▲

17(-5). ドアをノックするのは誰だ?

  • はずむような生のストリングスが最高。
  • ライブでドアノックは久しぶり。おそらく2018年の『春の空気に虹をかけ』以来(2022年の『Sk宇Shows』ではイントロだけやった)。
  • 久しぶりだからか、客席のドアノックダンス率が低かったような?
  • 服部さんの動きもノリノリで楽しかった。
  • この段階で中森さんもステージに上がっていた。

17(-5)'. ドアをノックするのは誰だ?(変奏曲)

▲セットリストへ戻る▲

18(-4). いちょう並木のセレナーデ

  • 「そしてヒックスヴィル! 木暮晋也、中森泰弘」
  • 中森さんまで揃ってのいちょう並木は2013年のマシロック以来、11年ぶり2回目のはず*26

18(-4)'. いちょう並木のセレナーデ (合唱)

▲セットリストへ戻る▲

19(-3). 東京恋愛専科・または恋は言ってみりゃボディ・ブロー

  • クラップは4拍子の4つ目だけ。
  • オーケストラが身体を前後に揺らしてリズムをとりつつクラップしてるな……と見ていたが、どうやら椅子がカホンになっていて、それを叩いていたらしい?
  • 朝川さんは扇子を構えていた。
  • 普段のライブではまず言わない、間奏の「come on! oh yeah! good gone!」も再現。
  • アウトロでギターを持ち替える。

19'. 東京恋愛専科(アウトロ)

  • 「Ba ra ba...」が徐々に小さくなるフェードアウトを忠実に再現しつつも、「いやーーーー!」「だめーーーー!」*27とまた音が大きくなる、というくだりを3回くらいやってた。今回のライブでも屈指のどうかしていた場面。「ちいかわみたいだなあ」と思ってたら、Ozawa Kenji Graphic Bandのお豆腐さんも同じように思ってたらしく、翌朝すぐにこのイラストが送られてきた。

▲セットリストへ戻る▲

MC「服部隆之さん」〜ドアをノックするのは誰だ?(変奏曲)

(東京恋愛専科の)終わり方がわかんなくて!
あと2曲なんですよ、『あの曲』と、『あの曲』だけ!
こんなすっごいメンバーで、リハで服部さん、服部大先生——『LIFE』のときはまだ服部さんは若手で、僕とあまり年も変わらないから――(服部さんのほうを向き)1コ差? 2コ差?
(服部さんが指を立てて年齢差を伝える)
え、4コ違い!?
(会場笑)
ラブリーのオーケストラが最後にドーンと入ってくるので、ホントに曲を感じてくれてるんだなと思った。
ドアノックの変奏曲をもう1回お願いします。
  • 小沢健二のリクエストに応じて、オーケストラがドアノックの変奏曲を再度演奏。拍手ではなくフィンガースナップで喝采を送る。

▲セットリストへ戻る▲

モノローグ「LIFE IS COMIN' BACK」

「LIFE IS COIMIN' BACK」のフレーズがどこから降ってきたかわからない。
20代、英語が日常語じゃなかった僕だが、日本語の曲に正確な英語をつける必要もないし。
英語が日常語になってもLIFE IS COIMIN' BACKは変に思わない。
(説明文を日本語にすると)「生きているものが持っている特徴を支えている力」。「――が、返ってくる(COMIN' BACK)!」
「それはいま歌っても気持ちいい」
  • 『ひふみよ』で「LIFE IS COIMIN' BACK」を「感じたかった僕らを待つ」と日本語に置き換えていたけど、それを『街奏』のときに「LIFE IS COIMIN' BACK」に戻したのは「いま歌っても気持ちいい」から、なのかもしれない。
武道館狭いね!
次の曲をやるのですが、最初のイントロのギター――(と言って「ラブリー」のイントロを弾く)

▲セットリストへ戻る▲

20(-2). ラブリー

  • 『ひふみよ』以降のライブで「LOVELY LOVELY で 完璧な絵に似た」と言い換えられてきた箇所が、元通り「LOVELY LOVELY WAY, CAN'T YOU SEE THE WAY IT'S A」に。
  • フルートソロもあり。

20'. ラブリー(変奏曲)

モノローグ「LIFE HAS COMIN' BACK」

もし誰かが今年出したアルバムの30周年ライブをやるとしたら、2054年。すごい先、気が遠くなるほど。
気が遠くなるほどの距離を僕らは歩いてきた。
今の20代は、2054年に歩く。
LIFEは武道館に帰ってきた。「LIFE HAS COMIN' BACK」。

▲セットリストへ戻る▲

21(-1). 愛し愛されて生きるのさ

  • 真城さんとの「You got to get into the groove」*29なども含めた完全再現。
  • まさに「夕方に簡単に雨が上がったその後で」迎えた今回のライブ。そのシンクロっぷりは怖いほど(それこそ「スピって」しまうほど)だった。

▲セットリストへ戻る▲

MC「生活に帰ろうぜ! じゃなくて!」

再現したよ! 再現したから帰ろう、生活に! だって再現したよ?
前にも書いたけど、LIFEはすごいものを作れてる感覚があって。こわくて変な感じ、テレビとか。それでイヤになって、いなくなって。
(客席笑)
さっきも言ったけど、2054年だよ? 遠いよ! 1994年から見た2024年。
5,4,3,2,1,生活に帰ろうぜ!
(暗転)
……じゃなくて!
このコンサート、「携帯電話の電源を切らないで」と言っているけど、
今の生活はスマホ中心で、追い出すのはバチが当たりそう。
ここからは鳴らしていい。音出るようにしていい。音、最大にして!
(メンバーはける)
「さみしい終わり方」って(リハーサルで?)言われたけど、LIFEの曲って大体さみしいんだよー!

22.愛し愛されて生きるのさ *

  • 事実上のアンコール。ここで小沢健二のスマートフォンからInstagramの生配信をしながら演奏する……つもりだったようだが、うまくネットに繋がらなかったらしく(スタッフの方もステージに上がって解決しようとしていたが)不発。
  • 代わりに、メンバーの中でもANIさんや真城めぐみさんは配信をしていて、先にも引用したように真城さんの配信は今でも観られる。

「生活の場に帰ろう」

これで帰れる!
10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、生活の場に帰ろう。
  • いつもは「生活に帰ろう」*30と言っているが、今回は「生活の場に帰ろう」だった。
  • さらにもう1回アンコールがあるのでは、と期待するように客席からは拍手も鳴っていたが、ここで終演。

 ——これだけ長々と書いた上で言うのもおかしいけど、体感時間は非常に短く、ジェットコースターのようなライブだった。2時間半以上あったにもかかわらず、自分の体感ではその半分、1時間ちょっとくらい。情報量が多すぎて、咀嚼しきれないうちにどんどん次の曲や次のモノローグにいってしまう感じがあった。
 なので、こうしてライブ当日から1ヶ月以上かけてじっくりと内容を振りかえることで、やっと消化が進んできたような気もする。

 さて、「次」はどうなるのだろう。
 はじめにも書いたように、近年、とくにここ1年くらいの小沢健二はハイペースに濃密なアウトプットをしている。だから、このペースを維持したまますぐに何かあるのか、あるいはここで一旦大きく間が空くのか——どちらもあり得そうな気がする。何にせよ、次の「新しいこと」が楽しみです。

▲セットリストへ戻る▲
▲目次へ戻る▲

*1:「自分自身が飽きないように」という意識もあるのかも

*2:だから「懐メロ商売」なんていうのは一番不釣り合いな表現だ

*3:2010年、13年ぶりのツアーとなった『ひふみよ』(ライブアルバム『我ら、時』収録)も「『LIFE』期の曲を、当時のメンバーとともにやる」ものだったが、楽曲のアレンジまでは「再現」しておらず、モノローグを織り交ぜた構成も含め、いろいろとアレンジされていた

*4:5月に放送されたラジオ特番「J-WAVE SPECIAL PLAY IT BACK, BOOGIE BACK!」で、ゲストのスカパラホーンズに小沢が「当時の楽器を買い戻せない?」と本気で迫っていたあたりにもその徹底ぶりが窺える

*5:こういう観客さえも置き去りにするようなテンションの高さも小沢健二のライブあるあるだ

*6:東京スカパラダイスオーケストラのドラマーで、小沢健二の90年代のソロ作およびライブにはほぼ全参加。1999年に死去

*7:渋谷毅さんとともにアルバム『球体の奏でる音楽』に参加したベーシスト。2000年に死去

*8:2017年に亡くなったジェイク・H・コンセプションさんの名前も「ラブリー」の途中などで呼んでいたかもしれない……が定かじゃないです、すみません

*9:終盤のモノローグより引用

*10:しかも「Noize」はハイレゾ音源を無料公開

*11:具体的には00年代後半あたり。とはいえ、この時期も『うさぎ!』の連載はあったので丸っきり音沙汰がなかったわけではない

*12:今回のライブの発表時に「最後は一緒に『愛し愛されて生きるのさ』を」と書いていたので、そんな予感はしていた

*13:『MCMQ』ツアーにて、小沢健二自ら「オザケンの物販は混んでいて地獄」「オザケンの物販は売り切れてて地獄」とネタにしていた

*14:丁寧に段階を追って説明しているため項目数は多いが、実際は迷ったり間違えたりするほどのものではなかった……はず

*15:行列も、あれはあれで並んでいる最中に周囲の人たちとの会話や連帯感が生まれて面白かったけど。『MCMQ』大阪の物販でたまたま前後に居合わせた親子連れの方と、今回武道館の前夜祭でたまたま再会できて嬉しかった

*16:18歳以下の人を連れているグループ専用の「親子席」と、直前に「立見」は発売された

*17:正確にはコールアンドレスポンスの途中で小沢かBoseが「あ、そうだここで携帯提灯を点けてもらわないと!」と思い出して

*18:ライブではここを「ラジオからのいちょう並木」などに変えてくることがある

*19:もしくは「旅人たち」と「球体の奏でる音楽」を続けたのかも?

*20:なお、『球体』曲のうち、「大人になれば」や「ホテルと嵐」はロックバンド寄りな編成による別アレンジで近年も披露されている

*21:小沢健二とbeatnikといえば「さようならパステルズ・バッヂ」の歌詞。あと「恋しくて」のbeatnikバージョンというものもある

*22:お名前とかかってる……?

*23:あのときは「Where do we go, Where do we go, hey now?」のフレーズが日本語の「どこ行こう、どこ行こう、今?」に変わっていた。2010年の『ひふみよ』ツアーでLIFEのうち1~7曲目はすべてやっていたけど、翌々年の『街奏』にてそれを補うように残りの8,9曲目をやっていた

*24:「引用の問題では」という指摘もあったけど、例のPaul Simon「You Can Call Me Al」まんまなイントロは今回再現できているわけで……

*25:2017年のフジロックでは「『フジ』って言ったら『ロック』って言ってくれ」、同年末のMステでは「『タモ』って言ったら『リ』って言ってくれ』

*26:2013年の『MASHIROCK FESTIVAL 2013 〜真城めぐみデビューほぼ20周年祭〜』にて、最後の最後にシークレットゲストで小沢健二が登場し「いちょう並木のセレナーデ」と「愛し愛されて生きるのさ」を披露した。このとき、MCで「CDと同じ形式でヒックスヴィルの中森さんまで参加して『いちょう並木』をやるのはこれが初めて」という話があったと記憶

*27:「だよね」にも聞こえた

*28:一度ふざけた口調で読んで父親に「ちゃんと読んで」と注意されるが、2度目も同じ調子で読んでいた

*29:2010年の『ひふみよ』以降では「我ら、時をゆく」と言い換えていた箇所

*30:『MCMQ』最終日だけは「たたかいに帰ろう」だった