おひさしぶりです。
2016年末に、こういうものを書きました。
いま振り返っても、このブログで一番時間を費やして書いた文章だと思います。
なかでも特に力を入れたのが、その時点で把握できる限りすべてのブギーバックのカバーを網羅したリスト。作った本人がいま見ても気が遠くなるボリュームですが、結果多くの方に読んでいただけて良かったなと思います。
さて、本日2022年3月9日で、『今夜はブギー・バック』がリリースされてから29年。
カバーを一斉にアップしようという小沢健二さんご自身による呼びかけを受け、自分なりのささやかなカバーの形として、先のカバー一覧の増補版と、今回みなさんがアップするカバーをリアルタイム更新で網羅していこうと思います。
この文章を書いている時点ではどれだけの数のカバーが出るかわかりませんが、たった一晩では聴いたり観たりしきれないほどのカバーが #今夜はブギーバック のタグとともに飛び交うことでしょう。そうした無数のカバーと出会うための一助になれば幸いです。
(あとで並び替えるかもしれませんが)リアルタイム更新中は新しく見つけたカバーをどんどん上に追加してゆきます。
また、当ブログだとリロードしていただかないと更新が反映されませんが、↓のGoogleスプレッドシートのほうだと完全にリアルタイムでリストの更新が見られるはずです(ただしスマートフォンだとちょっと見づらいかも)。お好みのほうでどうぞ。
【3/9 22:50追記】
すみません、カバーの数が多すぎて全然リアルタイム更新できませんでした……。3/9にアップされたカバー自体は↓のスプレッドシートでリストアップしていますので、そちらをご覧ください。後ほど見やすく整えたうえで、このブログにも載せる予定です。
2022年3月9日のブギーバック(20:00よりリアルタイム更新開始)
18:00 リアルタイム更新準備中
リアルタイム更新は20時からスタートします。小沢さんたちのリアルタイム実況(?)もチェックしながらなので、すごく慌ただしい2時間になる予感。
リアルタイム更新を始めるまでは、昨日までのブギーバックをまとめた↓の文章をよければご覧ください。
2017年1月1日~2022年3月8日のブギーバック
今回、この期間のブギーバックでリストアップしたのは23曲。
ただ、ライブでのみ披露されたカバー(とくにスチャダラパーがほかのミュージシャンのライブに客演して一緒にカバーするケースが非常に多い)については、今回ほぼ省きました。小沢健二とスチャダラパーの本家本元によるセルフカバー以外は、基本的に音源化ないしDVD等に収録されているものに絞ってます。
(※以下、文体がである調に切り替わります)
2017年
【カバー】DJ PMX feat. HI-D, GIPPER, cak73「今夜はブギー・バック nice vocal」
ベテランのヒップホップDJによるカバー。【セルフカバー】小沢健二 featuring スチャダラパー「今夜はブギーバック」
2017年7月29日、FUJI ROCK FESTIVAL 2017の2日目、WHITE STAGEに小沢健二が出演したときの1曲目で披露。この年の2月のミュージックステーションで小沢がフジロックへの出演を(いきなり)発表した際に「ブギーバックとかやります」と予告しており、そのとおりの選曲となった。前年のライブツアー『魔法的』の編成にスチャダラパーやスカパラホーンズが加わり、きわめて豪華なメンバーでのブギーバックだったといえる。
このときの模様はこちらの記事で詳しく書いている。
満員のWHITE STAGEにて「今夜はブギーバック」の曲名がスクリーンに映しだされて湧くなか、以下のコールアンドレスポンスが楽しかったのをよく覚えている。
「フッジーって言ったらロックって言ってよ、フッジー!」 \ロック!/ 「フッジー!」 \ロック!/ 「フジフジって言ったらロックロックって言って、フジフジ!」 \ロックロック!/ 「フジフジ!」 \ロックロック!/
https://kagariharuki.hatenablog.com/entry/ozkn-fuji17-1
【セルフカバー】小沢健二 featuring スチャダラパー「今夜はブギーバック」
年末の特番、テレビ朝日系「ミュージックステーション スーパーライブ2017」でこの年リリースの「流動体について」とともに披露。
このときのコールアンドレスポンスでは、フジロックのときの「フジ」「ロック」が「タモ」「リ」に替わっていた。
2018年
【カバー】Clémentine「今夜はブギー・バック Nice Vocal」
フランスの歌手(だけどむしろ日本で有名な)クレモンティーヌによるカバー。ボーカルパートのみの構成で、フランス語で歌われている。この曲を収めたカバーアルバム『Café de POP from Tokyo Paris』では「恋とマシンガン」「いちょう並木のセレナーデ」のカバーも収録。ちなみに1992年のクレモンティーヌのアルバム『アン・プリヴェ~東京の休暇』には小沢健二が参加しており、そういうご縁もあったりする。
【カバー】fhana「今夜はブギー・バック」
元は2018年のライブで披露されたカバーで、ベストアルバム『STORIES』初回限定盤付属のBlu-rayに収録されている。こちらは入手しておらずまだ聴けていない。すみません。【カバー】KMNZ「今夜はブギー・バック(Cover)」
www.youtube.com
バーチャルYouTuberのユニット、KMNZ(ケモノズ)によるカバー。YouTubeにアップされているブギーバックのカバーの中でもダントツの再生回数(本記事の執筆時点で176万回以上)を誇っている。この再生回数はKMNZの動画の中でもトップクラスであるため、単にアーティストや曲の人気・知名度だけではなく、このカバー自体が支持されてこの再生回数に結びついているのだろう。実際、かなり質の高いカバーになっていると感じる。
KMNZはほかにも「サマージャム '95」や「強い気持ち・強い愛」などもカバーしている。
2019年
【カバー】絶好超団☆LoVe「今夜はブギー・バック (Cover Ver.)」
男性アイドルグループのコンピレーションアルバムに収録された、7人組のダンスボーカルアイドルユニット(2019年に解散)によるカバー。【カバー】DJ AT THE WORK「今夜はブギーバック (Cover ver.)」
『J-POP SUMMER HITS』など計5枚のコンピレーションアルバムに収録されている。このカバーのアーティスト名義DJ AT THE WORKは調べても何も情報がでてこないので詳細が不明。ボーカルパート・ラップパートのいずれも女性が唄っているのだが、ラップのかけ合い部分が「スチャアニ」「ボーズ」ではなく「翔太」「SHUN」なのでどうやら加藤ミリヤ feat. 清水翔太&SHUNのバージョンに準拠しているようだ。想定しているリスナー層もそっち方面なのかもしれない(どっち?)。【カバー】スチャダラパー, ポムポムプリン「今夜はブギー・バック」
サンリオピューロランドで開催されたハロウィンのオールナイトイベント「SPOOKY PUMPKIN 2019 ~PURO ALL NIGHT HALLOWEEN PARTY~」にスチャダラパーが出演。そのとき、小沢健二パートを担当したのがまさかのポムポムプリンだった。これは音源化等されているわけではないのだが、とうとう人間以外*1にまでカバーされたという意味でブギーバック史に残ると思い、あえて記録した。
【セルフカバー】小沢健二 featuring スチャダラパー「今夜はブギーバック」
小沢健二のアルバム『So kakkoii 宇宙』リリース直前のライブ2デイズの2日目にのみSDPが客演。SDPが出てきた場面のみ、観客による撮影が許された(というか、その場でツイートするようステージから促された)。
スチャダラパー来たあああああああ、ってBoseがツイートしろって #ozkn #SDP シンコもいる
— かがりはるき (@kgrhrk) 2019年11月12日
小沢「これ撮ってツイりなおしだな」 #ozkn #SDP pic.twitter.com/MBqnVIxzj3
— かがりはるき (@kgrhrk) 2019年11月12日
【カバー】Lotteriez「今夜はブギー・バック」
メンズユニット(2021年3月解散)のメジャーデビューシングルのカップリングに収録。ちなみにこのシングルは全4バージョンあり、別バージョンのカップリング曲は電気グルーヴ「Shangri-La」、岡村靖幸「あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう」、久保田利伸「LA・LA・LA LOVE SONG」といった妙に偏りの強い選曲となっている。2020年
【カバー】Nagie Lane「今夜はブギー・バック」
www.youtube.com
YouTubeで公開されたアカペラグループによるカバー。YouTubeにアップされているブギーバックの中ではトップクラスの再生回数(本記事の執筆時点で61万回以上)で、実際に完成度の高いアカペラカバーとなっている。
【カバー】H ZETTRIO「今夜はブギー・バック」
H ZETTRIOによるインストゥルメンタルカバー。ピアノ主体ではあるが、ボーカルパートはギターで表現されている。【ライブ】ハナレグミ「今夜はブギー・バック」
ハナレグミが弾き語りライブ「出前THE MOMENT」でカバーしたときの映像が、アルバム「発光帯」初回限定盤付属DVDに収録されている。ハナレグミは2007年にTHE HELLO WORKS(スチャダラパーを含む10人組のバンド)がブギーバックをカバーした際にボーカルで参加しており、それ以降もたびたびハナレグミのライブで演奏しているようだ。
【セルフカバー】スチャダラパー「今夜はブギー・バック」
スチャダラパーのアルバム『シン・スチャダラ大作戦』は「S盤」「D盤」「P盤」の3種類がリリースされており、それぞれ「ゆったり畳で和みスチャ」(和楽器アレンジ)「たっぷりダラっとオルゴール」(オルゴールアレンジ)「のんびり100 パー ラテとボサ」(ボサノバアレンジ)と違う種類のインストアレンジCDが付属している。それぞれアレンジされているスチャダラパーの楽曲は異なるのだが、ブギーバックは3種すべてに収録されている。そのため筆者は3種すべて購入した。いずれのバージョンも、聴く前の予想をまったく裏切らないアレンジとなっている。もちろん良い意味で。
【カバー】n/ featuring バーンズ勇気「今夜はブギー・バック」
世田谷区のコミュニティFM「エフエム世田谷」の番組「田中さんラジオ」発のカバーアルバムに収録。【カバー】iamSHUM 「今夜はブギー・バック (Cover)」
2021年
【カバー】山田健登 feat. 三岳慎之助 & 岡進太郎「今夜はブギー・バック nice vocal」
九州で活動していたグループ「10神ACTOR」(2021年2月に解散)のメンバーによるカバー。客演の2人も同グループのメンバーである。【カバー】メトロミュー「今夜はブギー・バック」
www.youtube.com
宇宙を旅するバーチャルシンガーソングライターによるカバー。浮遊感のある心地よいアレンジとなっている。
【カバー】ハンバート ハンバート「今夜はブギー・バック(smooth rap)」
(※YouTube動画のほうは正式リリースされているものとは別音源)
ベテラン男女(夫婦)デュオによるアコースティックカバー。安定感のあるアレンジで、ボーカル・ラップともに2人の声がうまく交ざりあっているのが楽しい。
2022年
【カバー】池田智子×TENDRE「水星 × 今夜はブギー・バックnice vocal」
【カバー】kZm×佐藤千亜妃「今夜はブギー・バックnice vocal × 水星」
www.youtube.com
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池田智子×TENDREのバージョンは冨永恵介が、kZm×佐藤千亜妃のバージョンはChaki Zuluがプロデュースを手がけている。
実は、今回挙げたKMNZやメトロミューなど、近年ブギーバックをカバーしたミュージシャンのほかの楽曲を調べてみると水星もカバーしている例がけっこうある。筆者は前々から水星が2010年代のブギーバックに相当する曲だと思っていたが、原曲が発表された年代の違いすら特に意識せず、この2曲をひとつの流れの中で聴いている人も今は多いのではないだろうか(ブギーバックが「ボキャブラ天国」のエンディングテーマだったことと、水星(のPUNPEEによるリミックス)が「水曜日のダウンタウン」のエンディングテーマというあたりにも一種の系譜を感じる)。
この2曲をマッシュアップさせる時点でもう良い曲ができるに決まっているのだが、そこにlofi hip hopの要素も加えたことで2022年らしい音や映像になっていると感じる*2。2016年にBEAMS40周年で作られたこちらの動画同様、ブギーバック関連の「愉しい広告」といえるだろう。
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1993年3月9日~2016年12月31日のブギーバック
冒頭にも紹介した、こちらの記事で詳しく書いています。
*1:ポムポムプリンはゴールデンレトリバーのの男のコ