概要
(公式サイトより引用)
松任谷由実、ピチカート・ファイヴ、Mr.Children、MISIAなど、日本の音楽シーンをリードしてきた数多くのミュージシャンのCDジャケットを手がけ、新鮮なヴィジュアルイメージと革新的なプロダクトを生み出してきたアートディレクター、信藤三雄(1948~)。写真家、映像ディレクター、書家、音楽家としても才能を発揮し、その作品は各方面のクリエイターにも影響を与え続けています。本展では80年代の初期作から最新の仕事に至るまで、時代とともにあり続けたアートワークの数々を展覧し、信藤三雄のクリエイティビティの全貌に迫ります。
世田谷文学館 - 文学を体験する空間
信藤デザインの中を泳ぐ
開幕2日目、2018年7月15日(日)の朝一番で入場。早朝から駆けつける人は少なく、ゆったりと観られました。
フラッシュ・動画以外なら会場内撮影OK。嬉々としてシャッター切りまくりです。
どでかい『ヘッド博士』模様の壁があったので、すかさず記念撮影。帽子と双眼鏡を持ってくればよかった(双眼鏡はカメラで代用)。
「ビーマイベイビー 信藤三雄レトロスペクティブ」(世田谷文学館)。信藤さんの作品に囲まれる――というかもはや信藤さんの作品群の中を泳ぐような感覚でした。写真撮影可なのでヘッド博士ごっこもできるぞ! pic.twitter.com/tpolkQhX2J
— かがりはるき (@kgrhrk) 2018年7月15日
フリッパーズ・ギターやコーネリアスやピチカート・ファイヴなどが大好きだから、もちろん信藤三雄さんのデザインも大好きなわけです。そんな自分にはたまらない空間でした。信藤さんの作品に囲まれる――というかもはや信藤さんの作品群の中を泳ぐような感覚。
展示スペースはそこまで広くありませんがCDやポスター等がびっしり並んでいるので、作品数は軽く1000点以上。何度となく目にしてきたおなじみのジャケットから初めて目にするレアな品々まで、じっくり味わっていたら1時間以上経ってました。
「あ、このCDジャケットも信藤さんだったんだ」と初めて気づいたものもけっこうありました。ブランキー・ジェット・シティ『ロメオの心臓』とか、m-floの初期作とか。
あと珍しいところでは、厚生労働省のポスター。
信藤さんの作と言われなきゃわからないと思うんですが、1つだけ、モロにピチカート・ファイヴ『月面軟着陸』なデザインがあって笑いました。厚労省のピチカート・ファイヴ。
無数の作品が並ぶなかでもやっぱり、ピチカート関連の仕事には自ずと目を奪われます。信藤さんと小西康陽さんの趣味やアイデアがうまい具合にマッチしているんでしょうし、野宮真貴さんという最高のモデルの存在も大きいでしょう。
ピチカートのCDジャケットは2006年にcolumbia*readymadeから出たリイシュー盤のほうが個人的には馴染み深いので、保存状態の良いオリジナル盤のジャケット*1をまとめて観られたのは嬉しいし、そもそもポスターなどはまったく初見のものも多くて眼福眼福。
今回の展覧会に合わせてリリースされた作品もピチカート・ファイヴ関連でした。田島貴男さん在籍時の名盤『女王陛下のピチカート・ファイヴ』、初アナログ化!
今年5月に7インチ『女王陛下のピチカート・ファイヴep』も出ていますが、今回はいよいよ(ほぼ)フル収録*2の12インチ。ネット上ではすでにプレミア価格での出品も見受けられますが、世田谷文学館なら定価で買えます。展示を観た帰りに買いましょう。
女王陛下よ永遠なれ pic.twitter.com/Eppq9Gd9QH
— かがりはるき (@kgrhrk) 2018年7月17日
ただひとつ、図録の完成が展覧会の開幕に間に合ってなかったのがちょっと残念でした。一般書店でも買えるようだけど、会場でひととおり観た流れでそのまま買って帰りたかったです。物販コーナーに図録の見本が置いてありましたが、案の定、中身は真っ白……。 それと、世田谷文学館1Fのコレクション展「新収蔵・北杜夫コレクションを中心に」も面白かったし、同じく1Fのライブラリーには今回の展示に合わせてコンテムポラリー・プロダクションの作品集など置かれているのでそちらもぜひ。ライブラリーには『POPEYE』や『BRUTUS』のバックナンバーもずらりと並んでいました。その気になれば何時間でも滞在できる!