前回に続き、フジロック初参戦にあたっての準備のお話。
日程・交通・宿泊については前回決定したとおりで、今回は必要な諸々の買物編となる。
筆者はキャンプ経験もアウトドア経験もゼロ。イチから買わなきゃならないものばかりである。
どんなものが必要で、どんなものを候補にして、どんなものを実際に購入したか、を具体的に長々と書いてゆきたい。
なお、今回かなーり慎重に計画を立てて、かなーり慎重に装備も用意している。というのも最近、旅のプランを綿密に組みたてるのが自分の中でブームなのである。「ここまで金も手間もかけなきゃいけないのか!?」と思われるかもしれないが、おそらく、もうちょっと行き当たりばったり&リーズナブルでも大丈夫だろう。極端な話、行き帰りはヒッチハイクで宿泊も野宿(※禁止行為)、なんて剛の者もいると聞く。
そのことを念頭に置いてお読みいただければ幸いだ。
前回はこちら↓
kagariharuki.hatenablog.com
1.土曜日の夜はにぎやか
さっそく本題……の前に、前回のエントリを書いたあとに重大情報が入ったので触れておかなきゃならない。
FUJI ROCK FESTIVAL '17の第4弾出演アーティスト発表とともに、各アーティストの出演日も明らかになったのだ。
今回筆者がフジロックデビューするきっかけになった小沢健二は、2日目、7月29日(土)の出演! そして。土曜日の出演者のなかには、CORNELIUSの名前も! 以前、小沢のサイトhttp://hihumiyo.net/に「(あ、フリッパーズ再結成とかそういう暇は全くありませんので、よろしくお願いします)」と書いてあったのは、つまりそういう日程と出演者だったからなのだ。
観たい。僕にとって小沢健二は別格だが、小山田圭吾だってそりゃあ別格だ。
前回書いたとおり、今回の最大の目的は「小沢健二のアクトを観る」ことである。他のステージからの移動時間を見誤ったり、移動はできても入場制限に引っかかってしまったり、そうした原因で小沢健二を観られなかったらもう、悔やむに悔やめない。欲ばらないようにはしたいが、それでもやっぱり観たいものは観たい。もっと言うなら、2日目のヘッドライナーをつとめるAphex Twinだって好きだし、フジロック最多出場者の石野卓球も大好きだ。
観たいもの全てを観ることは不可能だろうが、少しでもうまい具合にハシゴできれば嬉しい。このもやもやは、タイムテーブルが発表になる(例年なら7月頭)までずーっと抱えたままになるだろう。
とはいえ、とりあえず自分にとって最大の勝負となる日は29日(土)だとわかった。滞在日程は前回考えた28日(金)の夜に現地入り~30日(日)の夕方に現地発で良さそうだ(今後の発表で、個人的に大っ好きなミュージシャンが28日や30日の出演者に加わる可能性もなくはないが……)。
2.フジロック会場はどういった環境なのか?
前置きが長くなってしまったが、買物編の本題に入る。
まず、フジロック会場がどういった環境なのか整理してみよう。ただしこれはあくまで、調べてわかったことと頭の中でのシミュレーションによるもの。勘違いしている部分もあるかもしれない。
- 山の上なので天気がコロコロ変わる
- 雨に降られる可能性がきわめて高い
- 雨どころか暴風雨の可能性もある
- 傘の使用はNG
- ステージ間の徒歩移動には、最低でも10分はかかる
- 高低差のある山道で、雨による泥濘(ぬかるみ)を歩くことも多い
- 山の上なので夜は真っ暗
- 会場内のトイレはあまり綺麗じゃない
- 会場内のシャワーや、会場外の風呂が利用できる
- 食べ物は会場内でいろいろ売っている。いちおう自炊も可能
- 飲み物も会場内でいろいろ売っている。水道水を汲める場所もある
特に注意すべきは雨。開催年によってまちまちだが、3日間のうち最低でも一度は雨に降られると思ったほうが良いらしい。雨の中、大声で笑えるような万全の装備で臨みたいところだ。
あと、前回からの訂正箇所が一件。行きも帰りも荷物の大半を宅急便で送ってしまう予定だったが、宅急便の受取時間に間に合わない可能性が高いため、行きは荷物一式を自力で持っていくしかなさそうなのだ。その点も考慮して荷物を決めなきゃならない。
3.必要なもの一覧
では、以上の条件から必要と思われるものをざーっと書き出してみよう。
★は必要、△はあったほうがよさそうなもの。
3-1.身の回りの品
- ★レインウェア
雨のよく降るこの星(苗場)では傘の使用がNGということで、何かしらのレインウェアが必須。「フジロックの必需品一覧」みたいなページを見ても必ず最初のほうに挙がってくる。詳しくは後述。
- ★靴
雨の山道を歩ける、しっかりした靴が欲しいの(ウォー!)。そんな君の願いを叶えるための靴、といっても選択肢はいろいろある。詳しくは後述。
- ★帽子
太陽は僕の敵。詳しくは後述。
- ★折りたたみ椅子
客席後方では折りたたみ椅子でのんびり観るスタイルの人が多い。また、途中で休憩したり買い食いしたりするときにも折りたたみ椅子は必須。天気がよければ地べたに座れるが、つまり天気がよくなければ地べたに座るのは無理なのだ。詳しくは後述。
- △ヘッドライト
夜間の移動用に。今回、小沢健二のライブの2回目は「真夜中にやる」と明言されているため、何かしらの灯りが必要だ。同時に移動する人が多ければ他人の灯りを頼りに移動できるが、さすがにまったく準備せずに行くのもちょっと怖い。詳しくは後述。
- △ライブ用バッグ
必要最小限の手荷物を収納するためのバッグ。防水素材ならなお良し。「魔法的」ツアーの物販で買ったヨットサックが(防水素材ではないものの)なかなか良い感じなので、これを候補に考えている。撥水スプレーをふりかけよう。
- ★旅行用バッグ
ひと通りの荷物を持ち運ぶためのバッグ。基本的にテント内に置きっぱなしにして、帰りはテントもろとも宅急便で送ってしまう予定だ。舗装されていない場所も多いだろうから、コロコロ付きのキャリーバッグは却って不向きな気がする。アウトドア用のキャリーカートも売っているが、新幹線移動だと却って邪魔になりそうである。
- △防水財布
普段使いの財布(not防水)は最初から持っていかない。というか、会場内の多くの店で電子マネーが使えるため、現金の出番はほぼ無さそうではある。だから、いっそ財布を持ち歩かず、多少の現金を紙幣のままポケットに突っ込んでしまう程度でいいかもしれない。スリには注意。
- ★着替え
気候の変動が多いため、どんな種類の衣類をどれだけ持っていくか悩むところ。
基本は夏らしくTシャツとデニム等で、その上にレインウェアを羽織る感じだろうか。虫刺され対策で、足元は素肌が露出しないような装備にしたい。Tシャツは現地調達の可能性も高い。
冷えたときのために、ユニクロのウルトラライトダウンとかを1枚用意してもいいかも(実際、昨年はかなり冷えたらしい)。
- △水筒
夏場なので水分補給は必須。水を飲み、渇きだけを癒せ。会場内に給水スポットがあるほか、象印が毎年「給茶スポット」を設置しており、水筒(ペットボトルは×)を持参すれば無料でほうじ茶をもらえる。水筒を持参しても良いし、オリジナルデザインのボトルも販売するらしいので、水筒ごと現地調達するのもアリだろう。
https://www.zojirushi.co.jp/cafe/spot/event/fujirock/
- △魔法的電子回路
ショッカー(もしくは又兵衛)の目印として。昨年のフジロックでも身につけていた人がけっこういたらしい。「何それ?」という人は以下の記事を参照していただきたい。
kagariharuki.hatenablog.com
けっこう壊れやすい(実際、筆者は「魔法的」のライブ中に1つ壊してしまった)のと、魔法(電池)切れの可能性もあるため、心持ち多めの個数を持ってゆきたい。「そうは言っても、『魔法的』のときにそんなにたくさん買ってないし……」とお思いの方もいるだろう。しかし、大丈夫。大丈夫なのだ。詳しくは次々回あたりで説明する。
3-2.テント関連
- ★テント
キャンプサイトで泊まる以上、もちろん必須。詳しくは後述。
- ★グランドシート
地面とテントの間に敷くシート。これを敷くことで、地面を流れる雨水がテント内へ流れ込んでくる現象を防げる。らしい。
- ★テント内マット
その名のとおり、テント内に敷いて使うマット。
なんと、知り合いのかたから「うちに余っているけど使う?」とお声かけいただいたので、ありがたくお譲りいただくこととする。多謝多謝。考えてみれば、この方と知り合ったきっかけもTwitterの#ozknを通してであった(しかも「ひふみよ」発表前)。
- ★シュラフ(寝袋)
夏場だしわりと暑がりなほうなので、寝袋はほどほどのもので充分かな……と思っている。もし夜間に冷えるようなら厚着で対応しよう。詳しくは後述。
- △ハンマー
テントの杭を打ちつけるためのハンマー。テントにセットで付いてくることも多いようなので、とりあえずセットで付いてくればそれを使ってみようと思う。
- △ランタン
テント内の灯り。キャンプサイトの奥のほうに陣取るだろうから、夜のテント内は真っ暗になってしまう。詳しくは後述。
- ★南京錠
貴重品は肌身離さず持ち歩くため、テントには着替え等しか残さないつもり。とはいえ、1日の大半の時間をテントから離れて過ごすから施錠はしておきたい。
3-3.デジタル関連
- ★スマートフォン
現代生活には必需品。現代人は携帯電話を持ってます。連絡をとったり情報収集したり写真撮ったり投稿したり、ってのは当たり前として、さらに僕はおサイフケータイ(特にモバイルSuica)をじゃんじゃん使っている。会場内での電子マネー決済や、地元からの電車移動や北陸新幹線への搭乗もこれ一台で済ませられる。超便利、だけど無くしたり電池切れしたりすると超ピンチ。つまり命綱そのもの。昔の人ならいざ知らず、現代人なら当然ですよね。
- ★モバイルバッテリー
そんなわけでモバイルバッテリーも必需品となる。
3年ほど前に購入したAnkerの13000mAhの製品を使っているのだけど、長く使って多少くたびれてきているような気がするし1台だけだと心もとないなあ……と思っていた。そんな矢先、ちょうどこれ(↓)がセールだったのですかさず購入。会場内で充電できる場所もあるにはあるらしいが、混み合うらしいし基本的にはアテにしないほうがいいだろう。
3-4.アメニティ関連
- ★タオル
汗やら雨やら風呂上がりやら、真夏だから出番は多い。これまでいろんなライブでいろんなミュージシャンのマフラータオルを買っているので、それを何枚か持っていこうと思う。物販で現地調達もするかも。
- △石鹸類
会場付近の主なシャワー・入浴スポットは、キャンプサイト内の簡易シャワー(無料)と、苗場プリンスホテル内の苗場温泉(500円)。
前者は石鹸類の使用が禁止されているらしいし、後者はホテルの浴場だから備え付けの石鹸類があるだろうし、持っていかなくても大丈夫な気はする。
- ★歯ブラシ
ホテルのアメニティでもらえるような使い捨てのものが良いかもしれない。
- ★髭剃り
T字のやつだとカミソリ負けしまくってしまうので、普段から使っている電動シェーバーを持っていく予定。
3-5.その他
- ★虫よけスプレー
キャンプサイトの奥のほうはとくに虫が多いため、素肌を極力出さない&虫よけスプレーの二重ガード戦法で臨みたい。先輩フジロッカーから、「素足を出した格好で草むらの中を歩いたらヒルに噛まれた。しかも気づいた時点でパンパンに膨れあがっていて足に半分埋まっていた」なんて身の毛がよだつ体験談を伺っている。いくら暑いからって、おとなもこどももおねーさんも素足を出すのは危険だと心得よう。
- ★大きめのポリ袋(ゴミ袋)
ゴミを捨てるにしても、荷物を雨水から防ぐにしても、逆に濡れた荷物を仕舞うにしても、いろいろな用途で使えるので多めの枚数を持っていく予定。
- △ジップロック
必須ではないけど、電子機器などを雨濡れから防ぎたいときにあると便利。筆者のスマートフォンは防水だが、モバイルバッテリーを雨ざらしにするのは怖い。小物類を小分けするときなんかにも使えるため、ポリ袋同様、多めに持っていくつもりだ。
4.アウトドアショップへ行こう
長々と書いてきたが、以上のうち、ちゃんと調べて買わなきゃならないものは、この9点に絞られる。
- 身の回りの品
- レインウェア
- 靴
- 帽子
- 折りたたみ椅子
- ヘッドライト
- テント関連
- テント
- グランドシート
- 寝袋
- ランタン
自分にとってアウトドアは、経験どころか予備知識もないジャンルなので、どうしても付け焼き刃の知識で手探り状態になってしまう。
ネット上の記事でオススメされている商品もいろいろあるし、先輩フジロッカーの方々に直接アドバイスをいただいたりもしたが、結局、どのカテゴリにも「万人にオススメのものは無い」のだと痛感させられるばかり。機能性とか、身軽さとか、懐事情とか、重要視する部分は人それぞれなので、ベテランの先輩方にしても、辿りついた最適解はそれぞれまるで異なるのだ。
しかも、身の回りの品にしろテント関連にしろ、実物を見ずにいきなりネット注文するのは躊躇われる。というわけでアウトドアショップへ行ってみた。
ただ、普段アウトドアと無縁な人間なので、アウトドアショップがどこにあるのかすら、さーっぱりわからない。街中でアウトドアショップの前を何度となく通っているはずなんだけど、いざどこかへ行ってみようと思っても、まるで思い出せない。
まず向かったのが、知り合いにオススメされた新宿南口のL-breath。それから、アウトドアメーカーの直営店を数軒。
あらかじめネットで予習をしておいたので、テントや椅子は実物を見てすぐに「あーこれが例のやつか」とわかったが、ウェアやシューズや帽子といった身につける類のものは種類が豊富すぎて、ざっと見るだけではなんとも判断がつかなかった。衣類は最終的には好みで決めるしかなさそうな気がする。
テントやレインウェアを決めるまで、何日かに分けて5,6店舗くらい廻ったと思う。同じ系列店でも場所によって品揃えや陳列が異なるため、あちこち廻っているうちにだんだん目が肥えてきた(気がする)。
結果から言うと、装備の多くはモンベル製品で固めることとなった。最初はテント本体やレインウェアの候補でモンベルの名が目についてきたのだが、他の小物類なども大抵はモンベルで揃えられることに気づいた。アレはこのメーカーで、コレはそのメーカーで……とあちこちに目移りしだしたら収拾がつかないので、ただでさえ手探り状態の初心者にはとても厳しい。老舗だから品質の面で心配がないし、デザインよりも機能性や頑丈さを優先しているのが、いかにも日本メーカーらしくて良い。そんな理由から、デビュー戦は無難にモンベルでほぼ一式揃えてしまうこととした。
では、ネットで仕入れた知識と店舗で見て気付いたことを総合して、最終的にどういう結論にまとまったか書いていこう。
4-1.レインウェア
フジロック用のレインウェアには大きく分けて2つの流派がある。ポンチョ派とジャケット(上下)派だ。
ポンチョのメリットはなんといっても手軽さ。1着で済むし、大きめポンチョならカバンごとガードできる。短所はどしゃ降りになると足元までカバーしきれない点だろう。
その正反対がジャケット(上下)。ポンチョよりも装着にも時間がかかり、かさばるが、大雨に強いのは間違いなくこちらのほうだ。
一口にレインウェアといってもほんとにピンキリだが、「100円ショップなどで売っている安物はオススメしない」という話はよく聞く。たしかに筆者も他の野外フェス*1で100円ポンチョを使ったことがあるが、簡単に破れるし蒸れまくるから一度ちょっと着ただけでもう使い物にならなくなってしまった。
多少出費はかさむが、ゴアテックス製のものが快適らしい。ゴアテックスの特徴は防水&透湿性。雨は弾くけど水蒸気は通すため、要は蒸れないのだ。ゴアテックスはアメリカのW. L. Gore & Associatesという会社の製品で、他のメーカーも対抗して透湿性の高い素材を開発しているが、一番知名度が高く、一番信頼度が高いのはゴアテックスだろう。
登山こそしないが、屋外のイベントに足を運ぶ機会はそこそこある。今年だけでもフジロックのほかにWORLD HAPPINESS 2017や日比谷野外音楽堂でのライブのチケットを取っているから、なんだかんだでレインウェアの出番はありそうだ。ゴアテックス製でそこそこ良いものを選びたい。
レインウェアの世界も日進月歩で毎年さまざまな新製品が出ているらしいが、新製品のレビューを見てみると賛否両論のことも珍しくない。不得意な分野で新製品に手を出すのも不安なので、ここは老舗メーカーの定番商品を選ぶことにした。
ジャケットは、モンベルのストームクルーザー。ゴアテックス製の定番商品で、重量は軽く、価格も安くはないがまあなんとか手の届く金額である。
フジロックが始まる前に、大雨の日があれば何度か着て試してみるつもりだ。防水透湿性をたしかめてみたいし、ゴアテックスは手入れが大変そうなのでその練習も兼ねて。
4-2.靴
靴選びも選択肢が多くて悩ましい。
サンダルからハイカットの登山靴*2までいろいろ考えられるが、定番の選択肢としてよく挙がっているのは、長靴(特に日本野鳥の会のもの)と、ゴアテックス素材のトレッキングシューズだろう。
天気に合わせて、しっかりした靴とサンダル類とを使い分ける流派もあるようだが、できるだけ荷物を少なくしたいし、キャンプサイトの奥の方にテントを張る可能性が高い(=天気に関係なく山道を歩く距離が長い)ため、サンダルの出番はなさそうだ。
- 日本野鳥の会の長靴
- トレッキングシューズ
もうひとつの選択肢はトレッキングシューズ。機動力はこちらのほうが上だろう。夏場だから暑苦しくなること必至だが、ゴアテックス製なら、多少の雨でも難なく対応できる。
岩山でも通用するくらいの本格的な登山靴だとさすがにオーバースペックな気がするので、スニーカーに近い形状のシューズが良いかな……? と悩んでいるところに先輩フジロッカーからオススメいただいたのが、メレルのカメレオンストーム。
「デザインや防水性は良いものの、濡れた路面では滑りやすいよ」
「これまでは滑りやすかったけど、最新モデルの5ではその弱点も克服したよ」
「いやいや5でも相変わらず滑るよ」
と、滑るよ派と滑らないよ派が入り交じっていており、実際のところどうなのかよくわからなかった。なので、Amazonなら無料で返品できるし試しに履いてみるか、ととりあえず注文。取り回しの良さを考えて、靴紐のないモックモデルを選んだ。 商品が届いたその日が雨だったので、さっそく雨のアスファルトの上を歩いてみた。うーん……たしかに、滑るといえば滑る。けど、足裏全体がつるつると滑るわけではなく、部分的に少し滑ることもあるかな? といった程度。だから、滑ったとしても、そのせいで転倒することはないと思う。これから履きならしていくうちに変わるかもしれないが、とりあえずこの程度なら全然問題なし! と個人的には感じた。
むしろ気になったのはサイズ感。「普段履いている靴よりも大きめのサイズにしたほうがいい」というレビューを多く目にしたため、普段は27.0cmくらいを履いている自分も28.0cm相当のサイズを選んだのだが……1cm大きくしたにもかかわからず、足の甲のあたりを軽く締め付けられるような窮屈さを感じた。でもまあ許容範囲ではある。
というわけで靴はコレに決定*3。7月末まで、雨の日はできるだけ履くようにして、しっかり慣しておきたいと思う。
4-3.帽子
帽子もゴアテックス等の防水透湿素材をオススメする声が多い。たしかにゴアテックス製の帽子なら、直射日光を防ぐときにも、雨を防ぐときにも役立つ。レインウェアのフードで雨を防ぐ方法もあるが、フードの場合、ライブの音が聞こえにくくなってしまうのだ。
帽子もピンキリだが、有名メーカーのゴアテックス製の品物でも3000円台くらいなのでわりと手を出しやすい。
4-4.折りたたみ椅子
※2023年追記
2021年以降、ヘリノックス型の組み立て式椅子(他社の類似品含む)はフジロックに持込み禁止となっているのでご注意。
↓にあるように、人が混み合ってる中を折りたたまずに(椅子の形のまま)持ち歩く人が多く、私自身も何度も危ない思いをしてきたので、禁止しているのは大賛成(ほんとは使う人のモラルやマナーの問題なんだけど……)。フジロックと検索したら、サジェストに「椅子」と出てきました。
— fujirockers.org (@fujirockers_org) 2022年7月19日
公式サイトにも記載されてますが、ヘリノックス社製タイプの組み立て式チェアは持ち込み禁止ですのでお気をつけて〜。#フジロック#fujirock#いつものフジロック#フジロック準備 https://t.co/pHtNgo4z4W pic.twitter.com/ilUyppfJ9Q
私は最近のフジロックでは、下の4-4-3で挙げたようなシンプルな折りたたみ椅子を使ってます。
***4-4-1.ヘリノックスのド定番
どこで調べても真っ先に名前の上がるド定番といえば、ヘリノックスの製品。包み込まれるような座り心地と、コンパクトに折りたためる携帯性を両立させた優れもの。もちろんお値段もそれなりに張るのだが、お店で座ってみるとたしかに快適だ。さっすが定番、うっかり座り心地を知ってしまったせいでうっかり欲しくなってしまう。
ヘリノックス製品でもいろいろバリエーションがあり、主要なモデルだけでもざっくり分けると以下のようになる。
製品名 | 重量*4 | サイズ(幅×奥行き×高さ) | 定価 |
---|---|---|---|
チェアワン | 960g | 52×50×66cm | \11,500 |
チェアワン・ミニ | 500g | 40×34×44cm | \9,000 |
チェアゼロ | 510g | 52×48×64cm | \13,000 |
チェアツー | 1.18kg | 55×65×84cm | \14,500 |
個人的な感覚をもとにおおざっぱに比較するなら以下のとおり。
- 重量:チェアワン・ミニ≒チェアゼロ<<<チェアワン<チェアツー
- 価格:チェアワン・ミニ<<チェアワン<チェアゼロ<チェアツー
- 快適さ:チェアワン・ミニ<<チェアゼロ≒チェアワン<チェアツー
椅子は常に持ち歩くものだから、軽ければ軽いほど良い。金額と重量の両方をとるならチェアワン・ミニだが、実際に座ってみると成人男性にはやや窮屈な印象。
すると、最有力なのはチェアゼロ。チェアワンとの価格差を考えても、今から買うならチェアゼロのほうが良さそうに思える。
4-4-2.コールマンの後発類似品
ヘリノックスの機構を踏襲した(というかパクった)製品もいろいろあって、大抵は本家よりも安っぽい(というか実際安い)。だが、コールマンの製品は本家を研究した上で後発&大手メーカーならではの改良を加えた品になっているらしい。
4-4-3.とりあえず椅子は保留
……と、上に挙げた以外にも椅子の候補はいろいろあるのだが、とりあえず今のところは買わずに様子を見てみようと思う。以前買った安くて軽い折りたたみ椅子があるので、これで充分かな? という気もするのだ。
[asin:B01BLEEE64:detail]
4-5.ヘッドライトとランタンは1台2役
ヘッドライトもモンベルで購入。単3電池1本で使えるため、予備の電池を1,2本持っていけば間違いないだろう。
また、屋外はステージやお店や他人様のヘッドライトなどでそこそこ明るいとしても、テント内は自前で灯りを用意しなくちゃならない。できるだけ荷物を減らしたいので、ヘッドライトをランタン代わりに吊しちゃってもいいかなあ……なんて思っていたら、ちょうどヘッドライトに被せてランタン化できるフードを見つけた。効果のほどは不明だが、これなら小さく折りたためて荷物にもならないだろう。
4-6.テント
今回、金額的にも物理的にも一番大きな買い物になるであろうテント。一番大きいだけに、一番悩む。
性能もサイズも品質もお値段もピンからキリまで非っ常に幅広く、初心者が調べると目が回りそうになる。というか既に目が回っている。いろいろ条件をつけて候補を絞り込まないと、何を選んだらいいかさっぱりわからない。
テント選びの前提条件は以下の通り。
- サイズ:2~3人で快適に収まるくらいのサイズがあればもう充分
- 使用頻度:フジロック以外にも、フェスやキャンプで使うつもり
- 重量:キャンプサイトまでそこそこの距離を歩くだろうから、できるだけ重量の軽いものが良い
- 品質・価格:安物買いの銭失いになるより、多少高くても長く使える品質のものが良い
- その他:テント経験ゼロ&夜中に設営する可能性が高いため、組み立てやすいと嬉しい
この中でもとくに大きな絞り込み条件となるのが、重量と品質・価格だろう。
重量は実際に持ってみなくてはわからない。ためしにお店で気になる製品のスタッフバッグ(携行用のバッグ)を持たせていただいたが、個人的には5~6kgくらいが上限かな、といった印象だ。
品質・価格に関しては上を求めればキリがないので、精いっぱい奮発して、予算4万円くらいを上限にしたい。テント本体だけじゃなく、グランドシートとかシュラフとかランタンとか、テント関連は他にもいろいろと買う物が多いのだ。
4-6-1.価格の手ごろさならDOPPELGANGER OUTDOOR
2~3人用で1万円以下、4~5人用でも1万円台前半、と価格の面では圧倒的に優れているドッペルギャンガー。価格が手ごろで設営も簡単、と初心者にはありがたいが、気になるのが品質。Amazonのレビューを見ると、結露や浸水に対する指摘が多く目につき、ちょっと不安が残る。「問題なく使えている」との声も目にするが、今回は候補から早々に外してしまった。4-6-2.スノーピークの初心者向け定番モデル
L-breathのテント売場で別格の扱いをされていたスノーピーク。エントリーモデルである「アメニティドーム」は、キャンプ場でもよく見かける初心者向けの定番商品らしい。「S」「M」「L」の3段階のサイズがあるが、重量(Sで5kg、Mで8kg)を考えると、2~3人用のSが今回の候補となる。
ちょっと気になる部分が一点。説明書(PDF)によると、自力でシーリング(防水処理)をしなければならない箇所があるらしい。よくよく調べてみると、以前はシーリング剤が付属していたようだが、現在は別売り。実際「シーリングをせずに使用して失敗した」的な話も見かけるため、初心者にはちょっとハードルが高い印象を受けた。通常の雨などは十分対応できますが、長時間の大雨や横なぐりの雨、地面に雨水が溜まっているような状態では、縫い目から雨水が浸入することがありますので必要に応じて縫い目にシームシーリング剤(目止め液)を塗布してください。
https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/snowpeak-store/media/pdf/SDE-002R.pdf
4-6-3.「キャンプ」よりも「登山」寄りのモンベル
モンベルは「キャンプ用品」というより「登山用品」のメーカーなのだろう。そのため、テントも携行性や耐久性・組み立てやすさを重視しているようだ。お値段はそこそこ張るが、今回の筆者の条件にはけっこうマッチしている気がする。
- ムーンライトテント3型
ムーンライトの名前は、月の光の下でも設営できるから。3型は、(いちおう)3人用だから。質実剛健な作りでありながら、バッグ込みでも3.8kgという軽量さには惹かれる。
- クロノスドーム(2型or4型)
ムーンライト同様に設営が簡単で、なおかつ居住性はこちらのほうが上。堅牢かつ軽量かつ快適な広さ。お値段は張るが、大変に惹かれるスペックだ。
あと面白いと思ったのが、専用のグランドシートを使うと、雨の中でもインナーテント*5を濡らさずに設営・撤収ができる点。グランドシートとフライシートをポールで繋げて立ててから、インナーテントを張ったり片付けたりできるのだ。これはなかなか惹かれる。
というわけでクロノスドームに気持ちが傾いてきたのだが、サイズでまた迷ってしまった。今回限りなら2型で充分な気がするが、なんだかんだで広めなほうが汎用性は高いだろう。悩みに悩んで、4型を選択した。グランドシートも専用のものを選択。
他にもテントのメーカーといえば、コールマンとかロゴスとかいろいろあるが、右も左も分からないうちに候補を増やしすぎても収拾がつかないため、ざっと調べるだけに留めておいた。
4-7.シュラフ(寝袋)
シュラフ(寝袋)もやっぱりピンキリだ。単純に持ち運び時の重さと大きさだけで比較しても、お高いものはコンパクトで高性能だし、お手頃なものはそれなりに嵩張ってしまう。今回、レインウェアやテント本体等でそれなりの出費になってしまったので、シュラフはもう金額の安いものから選んで決めてしまった。
シュラフは封筒型とマミー型の2種類に大別されるそうだが、両者のメリットデメリットもいまいちピンとこないため、今回は封筒型とマミー型の中間にあたるものを選んでみた。
5.次回予告
ざっと一通りの装備は購入した。
フジロック本番まで3ヶ月以上あるのに、気が早すぎるのでは? と思われるかもしれないが、ちゃんと狙いがある。梅雨入りする前にキャンプの予行演習をしておきたいからだ。
5月中旬に近場のキャンプ場の予約をとっておいた。キャンプ場へは車で行くつもりだが、フジロックのシミュレーションになるよう、荷物をカバン一つに詰め込んだ状態で運んでみる予定だ。
実際にキャンプをしてみて初めて気づくことも多いだろう。次回はそんな予習編を書こうと思う。
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