早いものでこのシリーズも4回目。
計画を立て、買物をして、予習もして、もうあとはタイムテーブルの発表をただ待つのみ。
……と言いたいところだけど、個人的にひとつだけ、やっておきたいことがあった。
今回のお題は、この「魔法的電子回路」だ。
今回は「魔法編」と書いているが、事実上の番外編。かるーい気持ちで読み流していただけると幸い。
ただ、フジロックへ行く予定のかたに向けて、ちょっとした告知も用意しているので、ちょっとだけお楽しみに。
(これまでの「はじめてのフジロック」)
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「魔法的電子回路」とは?
「魔法的電子回路」とは、昨年の小沢健二のライブツアー「魔法的」の会場で販売されていたグッズだ。赤・青・紫・緑の全4色で、500円/個。魔法の力でワイヤーが光り輝くので、暗いライブ会場でみんなが身につけているととっても綺麗だ。まさに魔法的。かつ、神秘的。
詳しくは、以前書いた以下の記事を参照していただきたい。コーディネートなどを研究している。
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この「魔法的電子回路」、「魔法的」ツアー終了後もファンの間では大活躍している。魔法のテイクアウト。たとえば、オフ会的な場では定番のデコレーション用品となっているし、それこそ昨年のフジロックの開催中は「会場で電子回路を付けてる人を見かけた!」という目撃情報がTwitterでいくつも飛び交っていた。
先に予告されているように、今年のフジロックにおける小沢健二のステージは2回。
うち1回は日中のWHITE STAGEで、もう1回は真夜中のPYRAMID GARDEN。前者は(出演アーティストの名前の並び順から)「ヘッドライナーの直前(=トリ前)の出演では?」と噂されているから、おそらく日没前後のライブとなるだろう。そして後者は真夜中で山の中だから、辺りはもちろん真っ暗。
つまり、2回とも「魔法的電子回路」の光がとっても映える時間帯なのだ。
「暗闇 一すじの灯りで照らし 飛べる 飛べる そう歌いたい 君とともに」。本当に!
魔法を探す旅に出よう
さて。そんな「魔法的電子回路」、みなさんのお手元では今も健在だろうか?
「魔法的」ツアーからフジロックやクリスマスなどで使い倒した人も少なくないだろうが、そろそろ電池がもたなくなってきているのでは? いや、電池だけなら交換すれば済む話だが、物理的にも決して頑丈な代物ではなさそうである。
現に、筆者の手持ちの電子回路のうち1つは、「魔法的」のライブ中にワイヤーの根元がぷっつりと切れてしまった。魔法は儚いものなのだ。
そこで、魔法を探す旅に出た。
といってももちろんタンスの中に入ったりするわけではなく、ネットで。Googleであの手この手を駆使して調べてみたら……あったー! あっさり見つかった。
筆者が見つけた販売サイトは、中国のアリババが運営するAliExpress.com。仕組みとしてはAmazonのマーケットプレイスに近いのだろうか。いろいろな業者が商品を出品しており、AliExpressのシステムを経由して個人が手軽に決済・輸入できる。
ざっと漁ってみても、あの「魔法的電子回路」……にそっくりな品物が、たくさん見つかる。すごいすごい。
なお便宜上、「魔法的電子回路」にそっくりな品物は今後、「合法的電子回路」と呼ぶこととする。
魔法を日本に呼び寄せよう
見つけたならば、手に入れてみたい。
手元の「魔法的電子回路」は1つ壊れてしまっているし、残りもどれだけ保つかわからない。今後の小沢健二のライブで再販される可能性もあるが、そもそも次のライブがいつになるのかもわからない。
そんなわけで筆者は、どこの誰だかわからない業者から「合法的電子回路」を購入してみた。
※注意
以下に購入の過程を紹介しますが……これをお読みの皆さまが真似されるとしても、その時は、自己責任でお願いします。なにせ日本のAmazonマーケットプレイスですら、怪しい出品者による詐欺が横行しているご時世。どうか皆さまご用心を。
先に書いたとおり、AliExpressには、「合法的電子回路」にあたる品物がいろんな業者からたくさん出品されている。
見た目は同じように見えても、単価や送料がけっこうバラバラだったりするから、気をつけて比較しなければならない。とくに送料は、注文した個数(というか重量?)によっても大きく左右されるようだ。
今回筆者が選んだ出品元はこちら。
この出品元に限らず、AliExpressで「合法的電子回路」を探してみると、「魔法的電子回路」にはなかったカラーリングがいくつも目につく。「魔法的電子回路」は赤、緑、紫、青の4色だったが、「合法的電子回路」はどうやら9色*1くらいあるらしい。
というわけで、1色あたり12個、12個×9色=計108個の「合法的電子回路」を注文してみた。
読者諸氏は「いくら単価が安いとはいえ買いすぎでは?」と思われるだろう。うん、自分でもそう思う。けど、これだけの個数を注文したのにはちゃんと狙いがあるのだ。詳しくは後述。
1個1個が小さくて軽いとはいえ、108個ともなるとそれなりの重量になる。送料もそこそこの額になり、結果、今回は総額168.59ドル(本稿執筆時点のレートで約18,500円)。1個あたり170円くらい。
ちなみに、発送手段によっても送料が変わってくるのだが、今回は別に急ぐ理由もないので一番遅くて一番安いものを選んだ。
以上、注文完了。
あとはひたすら待つだけだ。途中、ちゃんと送られているか心配になって何度か発送状況を調べたが、「いま上海で船に積まれてます」「横浜港に入りました」と少しずつ自分の許へ近づいてきているのがわかった。
結局、1ヶ月弱で無事に自宅へ到着。
届いたブツがこちら。
……爆弾?
外装を剥いてみると、ますます怪しい。
色ごとにいちおう小分けで包装されていた。袋のサイズはまちまちだし、色の名前(もちろん中国語)も殴り書きだが。
まあ、梱包のアバウトさはご愛敬。品物さえちゃんとしていれば良いのだ。
実物の「合法的電子回路」を見てみると、我々の知っている「魔法的電子回路」とはちょっと異なっている。本体(?)部分が透明ではなく白色で、「魔法的電子回路」に貼ってあったカラーのステッカーもない。逆に言えば、それ以外はまったく同じだ。
(こちらが魔法的電子回路)
(こちらは合法的電子回路)
魔法に命を吹き込もう
届いた「合法的電子回路」にはボタン電池が入っていない。
「魔法的電子回路」も「合法的電子回路」も、「CR2032」という種類のボタン電池が対応している。この電池を別途購入し、電子回路1つにつき2つの電池を入れなくてはならない。
つまり、都合216個のボタン電池が必要となる。
実のところ、本体や送料よりも電池代のほうが高くつくのだ。今回はかなり安い物を選んで買ったが、安い分、あまり長持ちはしなそうである。
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しかも、電池蓋は2本のネジで固定されているので、ブラスドライバー(しかもかなり細いもの)で開け閉めしなきゃならない。
本体は安くても、電池代や作業の手間を考えると、「魔法的」ツアー会場での販売価格500円、は妥当だったように思う。
そんなわけで、届いたからといってすぐに108個の電子回路全てを点灯して「うわーきれーい」なんてはしゃぐことはできない。
216本のネジを外して216個のボタン電池を入れて216本のネジを締める、『グルーヴ地獄V』や『バイトヘル2000』のごとき気の遠くなるような作業が待ち受けているのだ……。
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独力では困難きわまりないため、ここは知り合いの方々の力を借りてしまった。本当にありがとうございます。
すると作業しているうちに、実はドライバーを使わなくても電池の入れ替えが可能だとわかった。
文章ではわかりにくいので、写真を用いて説明しよう。
電子回路のスイッチ部分。ワイヤーの根元付近にネジが2本付いており、通常はこれをドライバーで脱着するのだが……。
ネジとは逆側、半円のカーブ状になっている部分。爪を使ってうまくこじ開けると、隙間から電池ケースが覗けるのだ。
あとはこの隙間からボタン電池を入れるだけ。電池のプラスマイナスの向きは、写真を参考に。
電池を入れ、こじ開けた箇所をパチンと留めたら、スイッチを入れて点灯確認。うまくいきました。
この発見をきっかけに、作業スピードが劇的に向上。これが産業革命だ。
多くのかたの協力もあって、108個の電子回路に216個のボタン電池を入れる作業(a.k.a.内職)はあっさり完了した。
で、108個の魔法を点灯させた光景がこちら。
うーん、圧巻。
「108つの魔法 あなたにあげるよ」
※2017年7月14日追記:
本日、Kenji Ozawa 小沢健二 Official Site ひふみよが更新され、フジロックで販売されるグッズの情報が掲載されました。
その中に「魔法的電子回路 FUJI 729」があったため、以下の配布計画は中止とします。
手元にある108個の合法的電子回路は、また別の機会にどうにかします。
さて。こんなにたくさんの「合法的電子回路」を用意して、いったいどうしようというのか。
ある意味、本題はここからだ。
この「合法的電子回路」、フジロックの会場で配ります。無料で。
最初に書いたとおり、今回のフジロックにおける小沢健二のステージは電子回路の光が映えそうな時間帯に予定されている。だったら、観客の手元に少しでも多くの電子回路が出回っていたほうが、より「魔法的」なライブになるのでは? と思ったのだ。
ただし、主催者や他の来場者や小沢氏サイドには、絶対にご迷惑をおかけしたくない。なので、以下に記した条件付きで配布しようと思う。
無料で配ります
1個あたりの元手はそんなにかかっていないし、何より、お金を取ってしまうといろいろ問題がありそうだ。なので無料。
配布の予定はTwitterで告知します
フジロックのタイムテーブルが発表になったら大まかな配布予定も決めるつもり……だが、何しろ当日の現地で何が起こるかわからない。
そのため、最終的にはその日その時その場でTwitterを使って「これから1時間くらいの間、○○のあたりで声をかけてもらえば合法的電子回路を差し上げます」みたいな告知をすることになると思う。
普段Twitter等でお付き合いのある人も大勢集まると思うので、せっかくだからできるだけ多くのかたと挨拶&乾杯したい次第。
なお、筆者のアカウントをフォローしていなくても合法的電子回路は差し上げるので、フォローするかしないかはご自由に。
色は基本的にランダムです
多少のリクエストには応じられるかもしれないが、どたばたしている時には「赤ちょうだい」などといったリクエストに応じきれないと思う。なので、基本的に色はランダムでご了承いただきたい。
電池は安物を使っています
先に書いたとおり、コストの都合で安物の電池を使っている。さすがにフジロックの期間中は(ずーっと電源を入れっぱなしにしない限り)大丈夫だろうが、そんなに長持ちはしないと思う。電池切れしたときは各々で電池交換をお願いしたい。
参考のため、事前エントリーをしておいていただけると助かります
ところで。「無料で配る」と宣言したはいいものの、どれくらいの人が貰ってくださるのか、さっぱり見当がつかない。そこで、会場へ持っていく個数や配布スケジュールの参考にしたいため、貰う可能性のある人はとりあえず以下のツイートに「いいね」していただけると有難い。
というわけで、フジロックの会場にて108個の「合法的電子回路」を配ろうと思ってます。配布予定の参考にするため、会場でもらいたい! という人は本ツイートに「いいね」していただけると助かります。
— かがりはるき (@kgrhrk) 2017年6月22日
あくまで参考にするだけなので、とりあえず「フジロックへ行く予定」「貰えるなら貰いたいかも」くらいの調子で気軽にクリックしていただいてOKだ。
急遽、配布を中止する場合があります
繰り返しになるが、主催者や他の来場者や小沢氏サイドには絶対にご迷惑をおかけしたくない。
そのため、以下の条件に該当する場合、配布を急遽中止する場合がある。どうかご了承いただきたい。
- フジロック会場にて、公式に「魔法的電子回路」が販売される場合(営業妨害みたいな形になってしまうため)
- 主催者等から注意を受けた場合
- その他、中止すべきと判断した場合
最も可能性が高そうなのは、1つ目の“公式に「魔法的電子回路」が販売される場合”だろう。
その場合、欲しい人はぜひ公式の物販にて魔法を手に入れていただきたい。1個500円で、家に帰ってからもインテリアにデコレーションに晴れの日のコスチュームに何かと重宝するはずだから、全然高くないと思う。
実際、筆者の知り合いの多くは「去年のツアーの物販でもっと買っておけばよかった……」と口にしている。
配布を中止した場合、筆者の手元に大量の「合法的電子回路」の在庫が残ってしまうが、まあ、これはまた別の機会にどうにかすればいいだけだ。
周りに迷惑をかけず、平和的にお使いください
「魔法的電子回路」も「合法的電子回路」もいわゆる光り物なので、使い方次第では周囲の迷惑になってしまう。
あまり派手に光らせすぎて他の人のライブ鑑賞を邪魔してはいけないし、電子回路のワイヤーの先端は尖っているのでケガして(させて)しまうおそれもある。
先日、別件で以下の記事を書いたが、ここでも明言したとおり、とにかく「小沢健二のファンが他の人たちに迷惑をかけた」なんてトラブルは絶対に起きてほしくない。
kagariharuki.hatenablog.com
どうか皆さん、魔法のご利用は平和的に!
次回予告
例年6月末~7月頭ごろにはフジロックのタイムテーブルが発表になる。
そこで次回は、このタイムテーブルをもとに大まかな3日間の行動予定を立てたいと思う。
今の時点で最大の懸念事項といえば、なんといっても2日目・7月29日(土)の小沢健二(1回目・WHITE STAGE)と、Cornelius(GREEN STAGE)の時間が被るんじゃないか……ということ。いずれもトリ前の出演の可能性が濃厚で、となれば時間帯も被る(被らないとしてもハシゴは困難な)こと必至。まったく、両者の大ファンがどれだけいると思っているんだ! わかった上で被せているんだろうけど!
もう一つの心配ごとは、他のステージへのゲスト出演の可能性。1日目・7月28日(金)にはスチャダラパーの出演が発表されている。小沢側のステージにスチャダラパーが登場して一緒に『今夜はブギー・バック』……はまず間違いないとして、逆のゲスト出演、つまりスチャダラパーのステージに小沢健二が飛び入り参加する可能性も大いにありうる。
以前書いたように、筆者は28日に仕事があるため夜中に会場入りするつもりでいた。が、こうなってくると話が違う。悩ましい。とても悩ましい。
あんなことやこんなことで悩みつつ、今はただタイムテーブルの発表をじっと待つばかりだ。
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*1:Blue,Green,Red,White,Warm White,Yellow,Purple,Pink,Changeable