映画『リバーズ・エッジ』感想――不安定な物語は魔法のトンネルの先へ届くか?

(途中までネタバレ無しです)
 2月16日(金)の公開に先駆け、2月2日(金)にFilmarksの試写会で観ました。
 試写会来場者はFilmarksへのレビュー投稿が必須だったので、取り急ぎネタバレ無しで書いた感想がこちら。
リバーズ・エッジ - 映画情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarks
 Filmarksのほうで書いた内容と被る部分もありますが、今回はもうちょっと踏み込んで(途中からネタバレ有りで)あらためて感想を書きます。

リバーズ・エッジ オリジナル復刻版

リバーズ・エッジ オリジナル復刻版

原作に寄り添った映像化

 まず、僕は鑑賞前日に岡崎京子の原作を再読して試写会に臨んだのですが――これはちょっと失敗だったかなと思ってます。
 というのも今作、かなり原作に寄せた作りになっているので、その内容を念頭に置いて観ると「確認作業」っぽくなっちゃうんですね。少なくとも僕はそうでした。
 ストーリーの流れも、細かい台詞も、キャラクター(見た目や性格等)も、細かいディテールも含めいろいろと忠実に映像化している。原作の再現度が高いのは良いのだけど、あまりにちゃんとなぞっている部分が多いだけに、1本の映画として冷静に鑑賞しきれなかった気がします。
 ――ただし、ある部分を除いて(詳しくは後述)。

スタンダードサイズの1993~1994年

 いろいろな部分で原作に沿っているんですが、中でも象徴的なのが、1993~1994年という時代設定です。
 1994年。岡崎京子の原作『リバーズ・エッジ』が執筆され、小沢健二の代表作『今夜はブギー・バック』や『LIFE』もリリースされ、主演の二階堂ふみが生まれた年。
 本作ではその時代設定も忠実に再現しています。
 作中で大写しされる車はわざわざ当時の車種を使っているようだし*1、通りかかる車をコントロールできないようなロケシーンでは車にピントを合わせなかったりカメラと車の間に障害物を挟んだりとアングルを工夫してました。僕はあまり詳しくないけど、ファッション等もきっと当時のもので固めているんでしょう。
 
 あと、画角が全編スタンダードサイズ(4:3)なのも印象的。
 スタンダードサイズと聞いてもピンと来ないかもしれませんが、要はアナログ放送のころのテレビ番組と同じ縦横の比率です。
 監督には閉塞感等を表現するねらいがあったようですが、時代感の表現にも一役買っていると思います。
 いまどきスタンダードサイズで観るものといえば、昔の映像ばかり(ドラマの再放送、ドキュメンタリーで挿入されるアーカイブ映像、古いMV等)ですよね。我々のなかに「スタンダードサイズ=昔の景色」って刷り込まれているのか、この画角だけでどことなく古めかしく感じられるのがちょっと面白いです。
 
 ――というように、時代設定に対する製作陣の並々ならぬこだわりを感じる本作。
 ただ、そもそも90年代にこだわる必要があったのかな? とも個人的には思いました。
 
 たしかに原作では当時を象徴するキーワード・アイテムがいろいろ出てきます。ですが、作品のストーリーやテーマ自体はわりと普遍的だし、現代(2018年)が舞台でも全然通用するのでは?
 公衆電話や固定電話のように、今の高校生が全然使わない小道具にしたって、それをスマートフォンに置き換えるのもそこまで難しくないはず。
 この時代設定にこだわったのは、原作へのリスペクトみたいなものが多分に含まれている気がします。
 
 でも、1994年と2018年、約四半世紀の隔たりがあっても、この物語に共感する人たちは常にいるでしょう。現に、主演の二階堂ふみ(1994年生まれ)は原作を読んで「自分が日常で感じているものや感情がそのまま作品の中にあった」と強いシンパシーを抱き、本作の映画化を実現するため尽力したわけで。思いきって現代を舞台にすれば、却って原作の普遍性を強く強調できたんじゃないかな、って思うのです。

(※ここからネタバレ)原作通り、だからこその弱点

不安定、またはライブ感

 『リバーズ・エッジ』の原作に限らず、岡崎京子作品の多くは「物語がどちらへ転がっていくかわからない不安定さ」を抱えているように思います。
 僕はマンガを単行本で一気読みすることが多いですが、単行本で読むと綺麗にまとまって見える作品が大多数を占めるなか、岡崎京子のマンガは妙に「不安定さ」が強い印象があるのです。
 本当に即興でストーリーを考えながら描いたからこそ「不安定さ」がにじみ出ているのか、それとも最初から全体の筋書きを考えた上であの「不安定さ」が演出されているのか。不勉強ながら岡崎京子が実際どのように描いていたか知りませんが、いずれにせよこの「不安定さ」、言い換えれば「ライブ感」みたいなものが作品の大きな魅力になっているのは間違いないでしょう*2
 けど、これは連載マンガだからこそ強みになっている部分で、違うメディア(こと約2時間の長編映画)だとそこが「隙」になってしまう気がします*3
 このあたり、原作未読でいきなり映画を観た人の感想が気になるところ。

空っぽの若草ハルナ

 映画版のストーリーにおける最大の「隙」が、主人公・若草ハルナだと思います。
 二階堂ふみが演じる若草ハルナは、(原作でも映画でも共通して)主要人物のなかでもっとも個性の無い、狂言回し的な受け身のキャラクターです。
 いじめられている山田を助ける正義感はあるが、山田や吉川こずえの誘いには基本的にすべて受け身で行動しているし、交際相手の観音崎に対しても(しばしば嫌がったりケンカしたりしつつも)わりと流されっぱなしです。
 原作ではハルナのモノローグが頻繁に入るので、受け身で行動しているシーンでも頭の中ではいろいろなことを考えているのがわかりますが、映画版ではモノローグがほとんど無いため、ただただ流されているように見えてしまう。これは二階堂ふみの演技の問題ではなく、演出的にそこを描く気があまり無いのかな? って印象です。
 
 あと、二階堂ふみの体当たりっぷりも触れておくべきでしょう。
 もともと、『リバーズ・エッジ』の映画化のため一番奔走したのが二階堂ふみだ――というのは、複数の関係者が述べているところ。クレジット上はあくまで主演キャストですが、事実上の企画者(またはプロデューサー)といえるかもしれません。
 だから、というわけじゃないでしょうが、文字通り一肌も二肌も脱いでます。原作にあったような性描写もしっかり演じてるので、(女性率の高い試写室では多少の気まずさがありつつも)まあ食い入るように見てしまいましたね……。たぶん同性の方が見ても「おおー」と思うのでは。……なんか言い訳がましいですね。すいません。

原作になかったシーン

 一方、映画オリジナルの要素がもっとも強い部分といえば、合間合間に挟まれる登場人物へのインタビューでしょう。
 原作では各キャラクターのモノローグで説明していたようなことを、映画では(普通はナレーションでやりそうなところですが)このインタビューのかたちで説明している。独白のナレーションをあえて排除したのは面白いと思います。ナレーションが入るのはオープニングと終盤(田島カンナ焼死後の状況説明)とラストシーンのギブスンの朗読くらいだった(と思う)ので、これらを際立たせたい狙いもあったのかも。
 取材記事によれば、撮影の合間に行定監督自らインタビュアーとなって質問をぶつけていったらしいです。

二階堂:(略)あのシーンの撮影はいつやるのかも知らされずに急に決まって、ある程度の台本はありましたが、他は何を聞かれるかわからない状態でした。(略)
吉沢:(略)撮る前に監督に言われたのが「山田とそれを演じている吉沢亮の中間のようなものが見たい」ということ。(略)
出典:【インタビュー】二階堂ふみ×吉沢亮 繊細で鈍感でエネルギッシュな青春という化け物を語る | cinemacafe.net

 そんな撮り方なので、アドリブの部分もけっこう多いようですが、言葉を選びながら回答している様子も含めて、これは作品のトーンにすごく合っている印象を受けました。
 
 ただ、このインタビュー、観客には「誰が何のためにやってるの?」と大きな謎が残ります。
 てっきり作中で説明されるかと思いきや、最後まで一切説明されないんですよね。最初は田島カンナの焼死事件を受けて警察かマスコミが関連人物に訊いてまわってる設定なのかな? と思ったけど、生前の田島カンナにもインタビューしてるからその可能性は無いし。
 どうにも不自然で違和感がつきまとってしまうので、このシーンについては賛否が分かれそうな気がします。僕自身、効果的だなと思う反面、なんだかなーという印象もあり。
 たぶん「そういう演出だから、特に深い理由はないんだ」ってことなんでしょうが……個人的には、こういう部分をきっちり作中で理由づけしてくれるほうが好きです。

1本の映画として突き抜けた瞬間

 原作に忠実に映像化されているがゆえに、僕は本作を1本の映画として冷静に観られなかった。と最初に書きました。
 ところが、あるシーンで決定的に「原作との比較」を突き抜けました。
 
 それは、田島カンナのインタビューシーン
 終盤、田島カンナの焼死体が落ちた直後に挿入される彼女のインタビューは、本作の白眉だと思います。
 山田一郎との交際について訊かれ、「渋谷のHMV」「元フリッパーズの」といったキーワードを交えつつ、嬉しそうに語る田島カンナ。

犬は吠えるがキャラバンは進む

犬は吠えるがキャラバンは進む

 しかし、ある質問を受けて、笑顔のまま無言で固まる。質問の意味がわからないのか、そんなことを考えたこともないのか、考えはあるけど答えたくないのか。笑顔のまま、でも困ったような迷ってるような気分を害したような、言葉で表現しきれない微妙な表情のままで数秒間の沈黙。
 このシーンは映像だからこそできる絶妙な表現だったと思う。
 田島カンナ役の森川葵さん、僕はこれまで出演作を観たことがなかったのですが、前々から演技の評価が高いらしいですね。たしかにすごい。
 
 このシーンを観て、僕の中では昨年12月に「POPEYE No.849」の付録「Olive」で小沢健二が書き下ろした「ドゥワッチャライク」マイナス17回の内容がオーバーラップしました。「邪悪、ヴォルデモート、あるいは田島カンナ」。なるほど! ここで、映画、ひいては原作がもっていたある要素を直感的につかみ取れた気がします。
 大げさかもしれないけど、このシーンだけで、『リバーズ・エッジ』を映画化した意味があったように思う。原作の多くをなぞりつつ、終盤でこのオリジナルのシーンが突きつけられる。原作を読んでいる人には不意打ちのように刺さるし、原作を読んでいなくても、妙に心に残るんじゃないかと思う。
 
 そこから、若草ハルナの引越し準備のシーンを挟んで、ハルナと山田が夜の橋を渡るラストへ向かってゆく。
 ちなみに、原作で山田がハルナへの餞別に渡すのはThe Monkees「HEAD」だけど、映画ではギブスン*4の詩集に替わっている。そのかわりなのかなんなのか、直前の引越し準備のシーンでハルナがThe MonkeesのTシャツを着てましたね。
ヘッド

ヘッド

 
 夜の橋を渡りつつ、2人の声で読みあげられるギブスンの詩。
 原作ではこの後に吉川こずえの姿が出ますが、映画は夜の橋のシーンのまま終わります。山田の「UFO呼んでみようよ」の言葉のあと、オルガンの音色が聞こえてくる。主題歌、小沢健二「アルペジオ(きっと魔法のトンネルの先)」。
アルペジオ(きっと魔法のトンネルの先)(完全生産限定盤)

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 昨年末に先行して公開された歌詞のフレーズからは想像つかないほど、軽やかな曲調、軽やかな歌声。主演2人による語り。また、軽やかでありながら、映画の印象自体を大きく左右するほど力強くもあると思います。
 行定勲監督のインタビューによれば、「(略)実は最初、仮でエンドクレジットに小沢さんの情感にあふれる名曲『天使たちのシーン』を入れていたのですが、彼が“僕のなかではもっと明るい曲が鳴っているから”と、新曲を書き下ろしてくれました。(略)」*5とのこと。試写会へ行った時点ではこの小沢健二の発言を知らなかったので、これを踏まえてもう一回あのラストシーンを観たいです。

*1:そこまで車に詳しいわけじゃないですが、パッと見で「あ、90年代っぽいデザインの車だな」と感じました

*2:人によっては欠点に見えるかもしれませんが

*3:岡崎作品の映画化だと蜷川実花監督『ヘルタースケルター』の先例がありますが、あちらは未見なのでどうなっているか不明

*4:映画では「ギブソン」と発音していた気がしますが、個人的には「ギブスン」表記のほうが馴染みがあるのでこちらを使用

*5:※出典:http://mi-mollet.com/articles/-/10993

小沢健二「大阪の話をしてください」書き起こし #ozkn

はじめに

 以下の文章は、2018年2月8日放送のFM802「BEAT EXPO」に、小沢健二氏がゲスト出演した際の朗読「大阪の話をしてください」の書き起こしです。
 耳で聞いた内容をもとに書き起こしているので、一部誤っている可能性もありますし、漢字の使いかたや段落の構成などは書き起こした僕の判断によるものとなっています。
 
 放送から1週間以内であれば、radikoのタイムフリー聴取が可能なので、radikoが聴ける環境にある人はぜひ、小沢氏の肉声でお聴きください(FM802の聴取圏外でも、radikoプレミアムの会員になれば聴けます)。
radiko.jp
 あくまで「朗読」のために書かれた文章であり、それを聞いて書き起こしたもの。
 という前提のもと、以下の文章をお読みいただければ幸いです。
 

「BEAT EXPO」オープニング

(♪番組オープニングジングル)
 こんばんは、小沢健二です。
 えーっと、今、生放送で出ています。
 えー最初、なんか、朗読をしてみます。
 題して「大阪の話をしてください」という話です。

「大阪の話をしてください」

 僕のような、東京の匂いがする人が大阪に来る。
 すると彼はやたらと大阪の話をする。
 「僕と大阪の関わりは意外と深くて」とか。
 そして大阪人のあなたに、やたらと大阪の話をしてもらいたがる。
 
 そういう「やばい東京人」は、「あなた大阪人なんだから大阪の話だけしてよ」みたいな態度で、とにかく話を大阪の方向にもっていく。
 そして、優しい大阪人であるあなたは、東京人に合わせて「そうですよね、大阪では」とか、たくさんの大阪の話をしてくれる。
 本当は、あなたには、大阪の話なんかじゃなくても、いっぱい他の話があるんだけど。
 「さらにやばい東京人」の場合、もしもあなたが最近行った九州の話なんか始めたら、「おいなんで九州の話なんかしてるんだよ、大阪の話しろよ」くらいの顔つきになる。
 「大阪人は大阪の話だけしててよ」みたいな態度。
 本当はあなたは普通に、前にハワイに行ったときの話とか、ヨーロッパのサッカーの話とかしたいのに。
 でも、心優しいあなたはいつも大阪の話をしてくださる。
 「この話もう飽きてるんだけどなー」と思いながらも。
 
 さて、その大阪人のあなたが東京に行く。
 「東京ってこうだなー」と自分の東京論をもつ。
 その東京論を「やばい東京人」に話すと、「ああ、それって大阪ってこうだからでしょ?」と、またなぜか大阪の話になってしまう。
 「大阪ってこうだからねえ、だから東京をそう感じるんだよねえ」などと、大阪を決めつけられてしまう。
 ちょっと待て。俺はただただ東京の話をしたいんだよ。なんでいつも大阪の話に返ってくんだよ!
 と、あなたは正直思うが、心優しいあなたはやっぱり、せっかく東京にいるのに大阪の話をしてくれる。
 「大阪人は必ず大阪の話をしてください」みたいな暗黙のプレッシャー。
 
 これは、実は、日本人がアメリカにいるときのプレッシャーとそっくりである。
 アメリカ人といってもいろいろいるけど、この場合、俳優のマット・デイモンみたいな人を想像してほしい。
 彼らは相手が日本人とみると、やたらとSUSHIの話とかをしたがる。
 日本について持っている浅はかな知識をじゃんじゃん並べたてる。
 そして「僕の友人の彼女のルームメイトが日本人で、だから僕は日本文化を知っているんだ」みたいな、「それ全然遠いぞ」というところから自分の日本論をぶちまける。
 そして日本人であるあなたに、とにかく日本の話をさせたがる。
 そして心優しい日本人のあなたは、おかしくもないのにクスクス笑いながら「そうですねー、BUSHIDOの影響かもしれませんねー」などと話を合わせる。
 もちろんあなたはBUSHIDOってなんのこっちゃと思うし、GEISHAとかまったく知らないし、そもそも日本の話なんかじゃなくて、去年アフリカに行ったときの話とかをしたいのに。
 でも、そのメインストリームのアメリカ人は、日本人がアフリカの話をするのなんて時間のむだだと思うのだ。
 「日本人は、俺が知ってる感じの日本の話をしてください」みたいな態度。
 実は、まずいことに、その日本人の方にも用意ができていて、日本人同士ではBUSHIDOの話もGEISHAの話もまったくしないのに、「やばいアメリカ人」と話すときになるとつい、「そうですねー、GEISHAがー」とか「BUSHIDOがー」と調子を合わせるくせがついていたりする。
 
 そういうことって、思い当たりますか。
 「大阪人は俺が知ってる感じの大阪の話をしてください」みたいな感じ、感じること、ありますか。
 おしまい。
 

アルペジオ(きっと魔法のトンネルの先)(完全生産限定盤)

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オデッセイ(字幕版)

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2017年の音楽を(個人的な目線で)振りかえる

 個人的に2017年は、音楽に恵まれまくった年でした。
 そもそも、小沢健二氏とCorneliusの新譜が同時にリリースされた時点でもう一大事です。オリンピックよりもレアな事態ですよ。その都度、Twitterでも大騒ぎしましたし、このブログでもいろいろ書いたりしましたが、振りかえってみれば今年は他にも良い音楽にたくさん出会えました。こんなに大豊作……というかもはや惑星直列といっていいほど、個人的には嬉しいリリースばかりの1年だったと思います。
 そんなわけで、年の瀬の瀬のタイミングで雑多にふりかえりたいと思います。

主に聴いたシングル・アルバム

 新譜以外でも、今年は中古レコードをたくさん買ったし、Apple Musicとかで旧譜をいろいろ聴いたし、まあいろいろと聴いたと思います。中古レコードは、ヤフオクでいろいろ漁っているうちに気がついたら1週間で150枚くらい買ってました。業者の仕入れじゃないんだから。さすがに反省して最近はヤフオク断ちしました。最近はレコード屋巡りを楽しんでますが、どちらにしても買ったものをそんなに聴けてないですねー……。
 ともあれ、ここでは自分の印象に残った新譜に絞って書いていきます。いろいろ漏れがある気もしますが、そこはご愛敬ということで。

2/22[Single]小沢健二『流動体について c/w 神秘的』

流動体について

流動体について


 なんといっても今年は小沢健二氏の年でした。
 詳しくはこちらの拙エントリを参照。
kagariharuki.hatenablog.com
 19年ぶりのシングルというのもまあ一大事でしたが、そのリリースに伴うメディア出演ラッシュがまたすごかった。
kagariharuki.hatenablog.com
 あくまで一時的なお祭りで、またしばらく沈黙期間が続くのかな……と思ったらフジロックに出演したり『フクロウ』のリリースがあったりさらにはApple Musicでオリジナル番組(!)が始まったり。
 来年も、2月にシングル『アルペジオ(きっと魔法のトンネルの先)』の発売、4~5月に36人編成ファンク交響楽のライブが既に決定しているので、君がそばにいた眠れない日々はまだまだ続きそうです。
アルペジオ(きっと魔法のトンネルの先)(完全生産限定盤)

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3/1[Album]電気グルーヴ『TROPICAL LOVE』

TROPICAL LOVE

TROPICAL LOVE

 発売前から「最高傑作」の触れ込みでハードルをめちゃくちゃに上げてきた作品。たしかに良いアルバムだけど、前作*1『人間と動物』がすごく好きで思い入れがあったので、「今作こそが最高傑作である!」とされちゃうのはなんだかなぁ、という気持ちもあり。
 とはいえ今作も好きです。超いい曲しか入っていない。
 7月に出たインスト盤『TROPICAL LOVE LIGHTS』もまた良い。このMVがもう最高です。

TROPICAL LOVE LIGHTS

TROPICAL LOVE LIGHTS

4/26[Single]Cornelius『あなたがいるなら』

あなたがいるなら(アナログ) [Analog]

あなたがいるなら(アナログ) [Analog]

 なんといっても今年は小山田圭吾氏の年でした。
 待ちに待った新作『Mellow Waves』のリリース。そして、それに伴う7インチシングルの発売やツアーの開催。
 一発目のシングル『あなたがいるなら』、表題曲のタイトルにも歌詞にも曲調にもとにかく良い意味で面食らいました。

5/24[Single]Cornelius『いつか/どこか』

いつか / どこか [Analog]

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  • アーティスト: CORNELIUS,小山田圭吾
  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2017/05/24
  • メディア: LP Record
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 コーネリアスのシングル第2弾。これがまた大名曲。翌月のアルバムCDリリースが待ちきれず、ターンテーブルからパソコンへの録音(ちょっと手間がかかって面倒くさい)をして聴きまくったのも良い思い出。

5/26[Album]Kraftwerk『3D The Catalogue』

3-D THE CATALOGUE

3-D THE CATALOGUE

 クラフトワークのライブアルバムというかリミックスアルバムというか。説明が難しいけど、『Autobahn』から『Tour De France』までのアルバム8作を最新アレンジで演奏する「3Dライブ」を近年やっていて、そのライブアレンジを収録したアルバムや映像付きのBDなどがまとめてどかんと発売されたのです。

 アナログのBOXとBDを購入しつつも、主に聴いているのはApple Musicで。クラフトワークはこれまであんまりちゃんと聴いてなかったので、この機会にオリジナルアルバムと聴き比べつつヘビロテしました。

6/28[Album]Cornelius『Mellow Waves』

Mellow Waves

Mellow Waves

 満を持してリリースされた約10年ぶりのアルバム。個人的には、コーネリアスのアルバムで一番好きかもしれない。聴けば聴くほど好きな部分が増えていく。
 来年には海外でアナログ盤が発売されるので、もちろんそちらも購入するつもりです。

9/6[Single]小沢健二とSEKAI NO OWARI『フクロウの声が聞こえる c/w シナモン(都市と家庭)』

フクロウの声が聞こえる(完全生産限定盤)

フクロウの声が聞こえる(完全生産限定盤)

 ファンの誰もが唖然としたセカオワとの共演。昨年の「魔法的」ツアーでこの曲を聴いていた人たちにとっては、編曲のド派手さもまた予想の斜め上を行っていました。詳しくは以下の記事でに長々と書いてます。
kagariharuki.hatenablog.com
kagariharuki.hatenablog.com

9/6[Album]RHYMESTER『ダンサブル』

ダンサブル(通常盤)

ダンサブル(通常盤)

 タイトルの通り「ダンサブル」で「明るい」といったフレーズで紹介されることが多いアルバムですが、個人的にはしっくり来るまでかなり時間がかかった。

 発売前、収録曲がタマフルで1曲ずつOAされた時点から聴いてたのだけどあまり馴染めず、盤の発売したころもちょうど忙しかったのでなかなか聞き込めず、10月にライブでようやくアルバム全体が好きになった感じ。
 前々作『ダーティーサイエンス』や前作『Better, Sweet & Beautiful』はすぐにハマったんだけど、この2作はIllicit Tsuboi氏やPUNPEE氏のトラックが個人的にツボど真ん中すぎたのかもしれません。

9/27[Single]Cornelius『夢の中で』

夢の中で (アナログ) [Analog]

夢の中で (アナログ) [Analog]

 1年間に6回も小沢氏と小山田氏の新譜のリリースがあるなんて!!!! と嬉しい悲鳴をあげつつ入手。
 「夢の中で」は『Mellow Waves』の中でも特に好きな曲なので、シングルカットは嬉しかったです。

 B面の「夢の奥で」は元々iTunes Storeでのアルバムの予約特典だった曲で、僕はちゃっかり入手しましたが(CDとデジタル配信の両方で同じアルバムを買うなんて初めて)、ここで再び日の目を見ることに。

10/4[Album]PUNPEE『MODERN TIMES』

MODERN TIMES

MODERN TIMES


 待ちに待ったPUNPEEの1stアルバム。とんでもねえ大名盤でした。
 PUNPEEのことを初めて知ったのはtofubeatsの「Les Aventuriers」(アルバム『lost decade』収録)だったと思う。この曲ではラッパーとしての参加だけど、トラックメイカーとしても非凡な才能の持ち主なんだとすぐに気づいた。
 先述のRHYMESTER『Bitter, Sweet & Beautiful』でも大々的にフィーチャーされていたし、PSGのアルバム『David』やソロ名義でのミックスCDとかも聴いているけど、とにかくソロアルバムの発売をずーっと首を長くして待っていたし、期待をさらに上回るアルバムでした。10月の発売だけど、今年買ったアルバムのなかで一番聴いたのはこれかもしれない。
 しかしまぁ、大事なのは今後である。

10/18[Album]スカート『20/20』

20/20(トゥエンティトゥエンティ)

20/20(トゥエンティトゥエンティ)

 このアルバムについては以下でいろいろ書きました。アルバムの内容よりも、どうしてスカートのことがみんな好きなのか、みたいな話が主ですが。
kagariharuki.hatenablog.com

10/25[Album]筋肉少女帯『Future!』

Future! (通常盤)

Future! (通常盤)

 復活後の筋少のアルバムはいつも、自分の耳にしっくり来るまで時間がかかるんです。10代半ば(当時、筋少は活動凍結中)から旧譜をずーっと長く聴いているせいでしょうか。
 正直、復活直後の2作は物足りない部分も多かったですが、『蔦からまるQの惑星』あたりから凄みを増してきてる印象があって、近作はどれもこれもかなり大好きだったりします。とくに前作『おまけのいちにち(闘いの日々)』はメンバーも認める異色作でしたしファンの間でも賛否分かれるようですが、個人的にはかなり好きで。
 んで今作『Future!』ですが、やっぱり消化するのにすごく時間がかかりました。もちろん発売日に入手して何度も聴いていたのですが、なかなかしっくりこない。ライブの前日あたりにようやく「良い!」とツボがわかった気がします。これは筋少が悪いのではなく、ひとえに僕のほうの問題なんだと思いますが。
 まあ聴きどころはいろいろあるんですが、MVが作られたリード曲「エニグマ」がとにかく凄い。まさしく筋少の「Future」を予感させる、新境地の曲だと思います。

 あとはやっぱり「T2(タチムカウ Ver.2)」。合いの手が難しいですが、バッチリ覚えると楽しいことこの上ないですね。「T2」に限らず、筋少のアルバムは最終トラックにものすごく好きなものが多いです。「飼い犬が手を噛むので」、「ペテン」、「ア デイ イン ザ ライフ」、「ニルヴァナ」、などなど。こうしてリストアップすると、滅多にライブでやらない曲が多いなー!

12/25[Album]サニーデイ・サービス『Popcorn Ballads』

Popcorn Ballads

Popcorn Ballads

 今年6月2日にいきなり配信限定でリリースされた大ボリュームのアルバム『Popcorn Ballads』。それから半年あまりを経てCD/LPであらためてリリースされた本作は、配信版からのボリュームアップ版……なんて簡単な言葉では片付けられないほど、大胆に装いを変えておりました。
 元々の配信版(全22曲85分)も歯応えのあるボリュームだったけど、完全版(全25曲100分)はますます質量も濃度も増している印象。このアルバムは何年もかけて聴くうちにちょっとずついろいろわかってきそうな予感がします。
 なにしろ、北沢夏音氏のインタビューによれば、曽我部恵一氏ご自身が「まだ自分としてはどういうものを作ったのかよく分かってない」と述べているのだから。
 通しで聴くにはなかなか覚悟が要る濃密さですが、先述のインタビューにおける曽我部氏の「1曲なくても2曲なくても、逆にいうと2、3曲増えていても、意味の差はたいしてないんですよね」「シャッフルはわりと前提に考えている気がする」といったコメントを読むに、あまり肩肘張らず、ちょっとずつ部分的に味見するように聴いていくのが合っているアルバムかもしれません。

12/27[Album]石野卓球『ACID TEKNO DISKO BEATz』

ACID TEKNO DISKO BEATz

ACID TEKNO DISKO BEATz

 卓球氏はもともと多作なほうだと思いますが、最近はもう何かのスイッチが入ったんだろうな、という超多作っぷりですね。
 まだほとんど聴けていませんが、ちょっと齧ってみただけでも良い感触です。
 長時間練りに練って作られた大作のほうが立派な気がしてしまいますが、最近の卓球氏の作品は短期間で迷いがなく作られている分、非常に無駄なく洗練されている印象を受けます。もはや武道の達人のような域に入っているのかも。
 年明けにはキャリア30周年のBOXと電気のシングルも出るのでまた楽しみ。
Takkyu Ishino Works 1983~2017(完全生産限定盤)

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MAN HUMAN

MAN HUMAN

行ったライブ

 普段、行ったライブをリストアップしてないので今年が例年に比べてどれくらいのペースだったかわかんないのですが、体感ではたぶん例年の1.5~2倍くらい行った気がします。

1/28 the SHAM with Ed TSUWAKI, smallBIGs, HAIR STYLISTICS, Matt Mottel(Super Deluxe)

 今年一発目にして、今年行った中でもっとも異色だった気がするライブ。一般で入っていいんですか? というくらい関係者(っぽい人)の多い現場でした。
 smallBIGs (小山田圭吾 + 大野由美子) によるCornelius「Beep It」のセルフカバーが絶品。少人数の編成だと、小山田氏のギターのテクニカルさが際立って良いですね。もちろんYMOやMETAFIVEとかでもいろいろおられるのだろうけど、大人数だとどうしても「この音は誰が出しているんだろう?」となってしまうんですよね。少人数でしかも手元足元がよく見える状態だと、「こんなにいろいろやってるの!」と新鮮な驚きがありました。

2/5 TWEEDEES「Happy Birthday TWEEDEES Vol.2」(高円寺High)

 2デイズの2日目。1日目は行けなかったけど、たしかこの時は1日目と2日目でメンバー編成を変えたんじゃなかったかな?
 チケット番号に恵まれ、最前(沖井氏の目の前)で鑑賞。沖井氏の手元がこの上なく明瞭に見えるポジションだったので、至福の一夜でした。そのうえ、「せっかくの最前だから!」と物販のパーカーを着用して臨んだら、MCで物販の話題になったときに「パーカーを着ている人がこんなところに! よく似合ってますよ!」と沖井氏からいじられました。

3/18 電気グルーヴ「TROPICAL LOVE TOUR」(Zepp Osaka Bayside)

 ライブで遠征したのはよく考えたら初めてかも。
 Zepp Osaka Baysideはオープンしたばかりのハコで、USJのすぐ近く。せっかくの遠征だからUSJで遊ぶかー、と思って近くの宿をとってみたら、部屋の窓を開けたらライブの音漏れが聞こえそうなほど会場のド近所でした。会場やUSJへのアクセスは最高でしたが(後者はちょっと歩く)、終演後に食事できる場所がなくてちょっと困り、けっきょく電車に乗って旧ヤム鐵道まで食べに行きました。ヤム鐵、遅くまでやっているしアクセスも良好だしもちろん味は格別だしで最高です。全然ライブの感想になってないなこれ。
 アンコール、人生の「恐怖カメレオン人間」(今回のバージョンは「半分カメレオン人間」)のセルフカバーに大変驚いた。

3/20 筋肉少女帯「「猫のテブクロ」完全再現+11(赤坂版)LIVE」(赤坂BLITZ)

 大阪からの遠征帰りにそのまま赤坂へ。
 なんでこのタイミングで急に『猫のテブクロ』の完全再現? と疑問が残りつつも、もちろん大好きなアルバムだし「Picnic at Fire Mountain」「Go! Go! Go! Hiking Bus」「最後の遠足」の流れを生で聴けるならそりゃあ行くしかないわけです。
 このライブでも先日の「Future!」ツアーでもそうでしたが、ステージのバックにアルバムのジャケットをでかでかと掲示するのはすごく好きですね。いわゆる再現ライブではよく見る演出だけど、他でもどんどんやってほしい。

3/25 電気グルーヴ「TROPICAL LOVE TOUR」(Zepp Tokyo)

 1週間のうちに電気⇒筋少⇒電気と立て続けに観られるなんて、ちゃっきちゃきのナゴムギャル(独身男性)である僕にとってこんなに幸せなことはない!
 大阪ではスタンディングでできるだけ前に出て踊ったけど、東京ではあえて2階席から照明・VJなども含めて楽しみました。さすが2階席、この次に観にいったグループのフロントメンバーの人が娘さんを抱いて目の前を横切ったりしていました。

4/15 スチャダラパー「スチャダラパーライブ 2017年 野音の旅」(日比谷野外大音楽堂)

 ほぼ毎年行っている、春のSDP野音。
 今回はステージのセッティングが面白かったですね。ステージの上にさらに金網(?)で組んだステージがあって、そこにDJ卓やザ・コストパフォーマンス(バックバンド)の楽器が並んでいる。で、2人のMCがステージ下段を歩き回ったり、ときには脚立でステージ上段へ登ったり。

5/27 NONA REEVES / KIRINJI「デビュー20周年記念 赤坂ノーナ最高祭!!! 第二夜」(赤坂BLITZ)

 第一夜でサニーデイ・サービスと堂島孝平、第三夜でクラムボンをゲストに迎えたノーナ最高祭。第二夜のゲストはKIRINJIでした。
 公式のライブレポートが詳しいですね。
wmg.jp
 ノーナもKIRINJIもちゃんとした尺のライブを観たのは初めてだったかも。もちろんいずれも最高でした。アンコールは両者のセッションで、さらにライムスターの宇多丸氏とMummy-D氏も加わって「The Great Journey」! 全メンバーによるソロ合戦が大変なことに。宇多丸氏の発言だったかな、「(メンバーに)プロデューサーが多すぎ」と言っていたのが印象的でした。
 個人的には、知り合いの人と整理番号が隣り合わせという奇跡もありました。

6/10 岡村靖幸「ROMANCE」(千葉県文化会館)

 岡村ちゃんは毎年1,2回は生で観ている気がします。今回、全席指定でわりと前のほうだったのでその時点でたまらなかったのですが、再現度の高い岡村ちゃんコスの人(再現度が高すぎて終演後に記念撮影をする人が集まったり、MCで公式にいじられるレベル)が目の前におられたので、常に視界がダブル靖幸でした。

7/12 Cornelius「Mellow Waves Release Party」(LIQUIDROOM)

 2デイズの2日目。詳しくは以下のライブレポートで。
kagariharuki.hatenablog.com

7/28-7/30 FUJI ROCK FESTIVAL '17(苗場スキー場)

 個人的には間違いなく今年最大のイベントでした。
 フジロックどころかキャンプ未経験で右も左も分からない状態から、いろいろ調べたり予習したりといった過程をこのブログにて毎月書いていきました。
kagariharuki.hatenablog.com
 いろいろなかたから「参考になりました」といったお声かけをいただいて嬉しかったです。

8/6 WORLD HAPPINESS 2017(葛西臨海公園)

 ほぼ毎年行っているワーハピですが、今回は会場を夢の島から葛西臨海公園に移しての1回目。新木場駅も葛西臨海公園駅も電車のアクセス的にはほぼ変わりないですが、駅からのアクセスは圧倒的に葛西臨海公園のほうがよかったですね。道幅が広いし、何より道中に信号がない!(夢の島公園は終演後の歩道が大渋滞するので、ライブで疲れた身体に追い打ちがかかる)
 ただ、今年は陽差しがめちゃくちゃに強烈で、軽く熱中症になりかけました。会場内にもほとんど日陰がなくて、とにかく定期的にかき氷と飲み物を摂取するしかない状態。前週のフジロックでは豪雨に苦しめられたけど、カンカン照りもまた厳しいものです。

8/27 サニーデイ・サービス「サマーライブ 2017」(日比谷野外大音楽堂)

 サニーデイのライブは実は初めて。『東京』を大学の卒論を書いているときになぜか執拗に聴きまくっていたんですが、他のアルバムはそんなに聞き込んでないしライブも行ったことがない、という変な距離感でした。
 知り合いが何人か行くし、野音は好きだし、ということで今回初めての生サニーデイでしたが……いやーよかった!!! MCはほとんど無く、ひたすら曲をたっぷりと演奏するのですが、季節感を捉えたセットリストの流れが素晴らしかったです。
 『DANCE TO YOU』や『Popcorn Ballads』の曲を中心にオールタイムベスト的な選曲でくるのかな、なんて予想していたらまるで違った。
 でもそれが超良かった。夏の終わりの野音で日没を迎えながら聴くにはこれしかないだろ、って選曲。あまりに気持ち良かったので、このセトリそのままのプレイリストを作って、何度も聞き返したほどです。
 12月25日、アルバム『Popcorn Ballads』完全版と同日にこのライブのDVDも発売されました。

サニーデイ・サービス in 日比谷 夏のいけにえ [DVD]

サニーデイ・サービス in 日比谷 夏のいけにえ [DVD]

 自分の行ったライブがCDやDVD等になったときは基本的に買うようにしているので、今回ももちろん購入。まだ開封できていませんが、夏の野外ライブを冬の屋内で観るのも乙なもんでしょう。楽しみ。

10/7-10/8 朝霧JAM - It's a beautiful day

 まさか年に3回もフェスに行くとは! キャンプも(フジロック前の予習も含めれば)今年3回目。
 ベテランフジロッカーの知り合いに誘われて参加したのですが、誘ってくれたかたがお仕事の都合で急遽キャンセルに……。そんなトラブルにもめげずツアーバスで初参加した朝霧JAMですが、もう最高でした。
 ちゃんとステージにかじりついてライブを観たのはごく一部で、ほとんどは遠巻きに観たりテントの中で寝っ転がりながら聴いたりといった、ゆるーい感じで臨んだのですが、そのゆるーい感じが良いのかなといった印象。ステージが見える位置にテントを張れるのはとても良いですね。
 食べ物もご馳走だらけで、何もかも美味かった。フジロックのときは「もうちょっといろいろ食べればよかった……」と後悔の念があったので、そのリベンジの想いもこめて食べ漁りました。フジロックのように、朝霧JAMでも電子マネーが使えればもっと嬉しいのになー。
 一番夢中になって観たのは、初日のトリの「Belle and Sebastian」。めちゃくちゃ良かった。一曲演奏するごとにパートチェンジしないと解散させられる呪いにでもかかってるんじゃないか? ってくらい頻繁にパートチェンジしているのが見ていて楽しいし、フロントマンのスチュアート・マードック氏のパフォーマンスやMCがすんごくキュートだし、さっすがグラスゴーの至宝! と感動しました。
 また来年も行きたいです。

10/9 Cornelius「Mellow Waves Tour 2017」(新潟LOTS)

 コーネリアスのツアー初日。朝霧JAMで富士山から帰ってきた翌日の新潟遠征でした。新潟市まで行ったのはたぶん初めてですが、越後湯沢のあたりとはまるで距離感が違いますね。
 地元の人にあらかじめアドバイスをいただいていたので、バスセンターのカレーやイタリアンなどの名物をしっかり食ってからライブへ挑みました。
 小山田氏の手元がよく見える位置だったので、1月のライブに続いてまたもギタリスト・小山田圭吾のテクニックを存分に味わえました。

10/22 RHYMESTER「KING OF STAGE VOL. 13 ダンサブル Release Tour 2017-2018」(Zepp Tokyo)

 台風直撃ライブその1。
 大型台風直撃、しかも湾岸部の会場にもかかわらず、客席は超満員。
 最近のライムスターのツアーは大箱と小箱とでセットリストや演出をガラッと変えてくるのですが、大箱ならではの凝った演出が多くてさすがでした。ゲストも大勢登場。
 あまりに楽しかったので、最初は行くつもりじゃなかった小箱セットのチケットもあわてて確保しちゃいました。
 帰りのゆりかもめの車内にて、ちょうど同じ車両に知り合いの方々とバッタリ。数年ぶりにお会いできたので話題が多く、新橋までの道中があっちゅう間でした。

10/26 Cornelius「Mellow Waves Tour 2017」(新木場Studio Coast)

 コーネリアスのツアー、新潟に続き新木場。新木場2デイズの2日目でした。
 コーストはめちゃくちゃ音が良いですし、コーストの巨大ミラーボールを活かした演出もあり、このツアーの中でも特にスペシャル度の高い会場だったんじゃないかと思います。
 この帰りに、ワーハピが夢の島公園でやっていた頃はけっきょく一度も行かなかったカレーうどんの千吉へ初訪問。美味かったです。

10/28 Cornelius「Mellow Waves Tour 2017」(横浜ベイホール)

 コーネリアスの今回のツアー、関東では最後の公演。けっきょくこのツアーは3回(リリパも含めれば4回)観たことになります。
 台風上陸直前で、雨と強風のなか、電光掲示板の「明日の横浜マラソンは中止になりました」の文字を見ながら会場へ。入場が遅かったせいもあるけど、横浜ベイホールはあんまり観客に優しくないレイアウトですね……(ぶっとい柱が何本もある)。

10/29 スカート「20/20 VISIONS TOUR」(SHIBUYA WWW X)

 台風直撃ライブその2。
 ハロウィーン直前の日曜の渋谷だから仮装したパリピでごった返すだろう……と心配するも、フタを開けてみれば台風が直撃しすぎて渋谷も閑散としてました。
 これまたチケット番号が大当たりで、最前でかじりつきながら観ました。
 対バンの台風クラブもよかったし、スカートはとんでもなくよかった。アンコールを3,4回くらい繰り返したんじゃないかな?
 前日のコーネリアスに続き、2日連続でカジくんさんのお姿を拝見しました。

12/3 RHYMESTER「KING OF STAGE VOL. 13 ダンサブル Release Tour 2017-2018」(水戸Voice)

 車をかっ飛ばして行ったため、会場で飲酒できず。かわりに会場から車で15分くらいの距離の温泉に開場ギリギリまで浸かり、心身ともにさっぱりした状態で臨みました。おかげでものすごく踊れた。これはこれでアリですね。あと、開場前に近くのコンビニに立ち寄ったら坂間氏がおられて腰が抜けました。コンビニの店内にいても明らかに存在感が違った。
 小箱セットはZepp Tokyoとはほとんど別モノで、ステージとの距離が近いからこその熱気が楽しめました。終演後にお三方と握手できたのも良い思い出。

12/10 筋肉少女帯「一本指立ててFuture!と叫べ!ツアー」(赤坂BLITZ)

 今年を締めくくるライブ(予定)は筋少、新作『Future!』リリースツアーの最終日でした。
 新曲の合いの手をいくつか間違えてしまい恥ずかしかったです。聴きが足りない!
 今年もいろんな場所でいろんな人たちのライブを観たけど、これまでの人生で一番数多く観ているのは間違いなく筋少です。腕を突きあげ「問うならばー!」とか叫んでいると、「ホームに帰ってきたー!」って実感できますね。全身がくたくたになるし、向こう数日間は筋少痛で身体中が悲鳴をあげるんだけど、まあこれはこれで。
 毎年恒例の12/23のLIQIDROOM公演も行きたかったけど、都合により断念。
 筋少のライブでは滅多に知り合いと遭遇しないんですが、今回は入場前から知り合いのかたと遭遇しました。ほんと、今年はライブ会場で知り合いと遭遇する率が妙に高かったですね。良いことだ。
 
 以上。各作品・ライブをかるーく振りかえるつもりで書き始めたら、例によって1万文字オーバーの大ボリュームになっちゃいました。
 来年も行ける限りたくさんの音楽を浴びまくりたいと思います。ブログはもうちょっと小まめに更新したいですね。

*1:ミニアルバム『25』を勘定に入れるなら前々作

だから僕らはスカート/澤部渡へ喝采を送る - スカートのメジャーデビューとアルバム『20/20』について

 2017年10月18日に発売されたスカートのアルバム『20/20』が素晴らしい。快作だ。という話をしたい。

20/20(トゥエンティトゥエンティ)

20/20(トゥエンティトゥエンティ)

目次

  • 素晴らしいゆえに説明しづらいポップス
  • 諸手を挙げて歓迎されたメジャーデビュー
  • 「もっと早く知ればよかった!」
  • インディーズシーンの第一線から
  • メジャーでも揺るがない芯の太さ
  • 「音楽がめちゃくちゃ好きな人」の音楽

素晴らしいゆえに説明しづらいポップス

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小沢健二とSEKAI NO OWARI「フクロウの声が聞こえる」について(後編) #ozkn #sekainoowari

f:id:kagariharuki:20170908152304j:plain:h200:right 2017年9月6日に発売されたシングル『フクロウの声が聞こえる』についての話、後編です。
 前編に続き、話題(問題)の「Uh, uh」等の合いの手のコツや、34分の短篇映像の補足説明、カップリング曲「シナモン(都市と家庭)」の解説などなど、シングル『フクロウの声が聞こえる』の気になる部分について細かく掘り下げていきます。

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小沢健二とSEKAI NO OWARI「フクロウの声が聞こえる」について(前編) #ozkn #sekainoowari

 本日9月6日(水)、小沢健二のシングル『フクロウの声が聞こえる』が発売となりました。
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小沢健二とSEKAI NO OWARI『フクロウの声が聞こえる』
 表題曲「フクロウの声が聞こえる」は、SEKAI NO OWARIとの共作です。
 小沢健二とSEKAI NO OWARI、どちらのファンにとっても意外な組み合わせだけに、不安や抵抗感を抱いていた(いる)人も多いでしょう。
 ただ、フジロックのステージで*1「これまでの僕の、これからの僕の全部がつまっている録音になっています! 何十万回でも聴いてください!」と小沢氏が自信満々に述べていただけあって、個人的には、すごく良い化学反応が起きていると思います。
 
 とはいえ、いずれのファンでも、この組み合わせがピンときていない人はまだまだいるでしょうし、とくに多くの若いセカオワファンのかたにとっては「小沢健二? フクロウ? なにそれ?」でしょう(もちろん元から両者をご存知のファンも多いでしょうが)。いち小沢ファンの立場から、できるだけ事細かに「フクロウの声が聞こえる」について解説します。
 小沢ファン目線での文章になってしまいますが、セカオワのファンのかたがたの参考にもなれば幸いです。いつか、小沢ファンとセカオワファンが一緒にある世界へ!

*1:この時点ではセカオワとの共作だと明かされていなかったですが

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はじめてのフジロック【6】報告編~フジをロックするのは誰だ?

「あ、それと、今年のフジロックフェスティバルに出ます!」

 2月24日の「ミュージックステーション」でこの一言を聞いて以来、気持ちを乱高下させつつ、ずっとこの時を待ちわびていた。
 
 FUJI ROCK FESTIVAL 2017への、小沢健二の出演。それも1日に2ステージ。
 フジロックどころかキャンプすら経験したことのない自分が、無事に小沢健二のステージを観られるのか――その準備の過程はこれまでの本シリーズで書いたとおり。
 そして、無事に観ることができた2ステージの模様はここでたーっぷりと詳しく書いている。
kagariharuki.hatenablog.com
kagariharuki.hatenablog.com
 ここ数ヶ月間いろいろと準備してきたのはすべて、2017年7月28日から30日までの3日間のため。
 結論から言えば、ほんとうに来てよかった。たくさんの時間とお金を費やして準備した甲斐があった。来年のラインナップがどんな顔ぶれであろうと、またフジロックへ参加したいと思う。
 
 というわけで本稿は、3月から毎月書いてきた「はじめてのフジロック」の最終回、FUJI ROCK FESTIVAL 2017当日3日間のレポートとなる。

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